タリバンが大学の男女共学を禁止 – BBCニュース

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アフガニスタンを掌握した武装勢力タリバンは12日、国内の大学で男女共学を禁止すると発表した。また今後、新たな服装規定を制定するとしている。

アブドゥル・バキ・ハッカーニ高等教育相は、女性は教育を受けられるが、男性と一緒ではないと説明。さらに、学生が学べる学問を見直すと述べた。

1996~2001年の旧タリバン政権では、女性は学校や大学への進学が禁じられていた。

タリバンは現在、女性の教育や就労には反対しないと主張している。しかし選挙で選ばれたガニ政権を倒した8月15日以降、医療従事者を除くすべての女性に対し、治安が改善するまで家にいるよう要請した。

一方、カブールのシャヒード・ラッバニ教育大学には11日、タリバンのジェンダー政策を支持する女性たちが集結した。

集会に参加した女性の多くは、目以外の顔と髪を覆う黒いニカブを着けていた。小さいタリバン旗を持ち、新政権を称賛し、全国で行われた女性の権利保護を訴えるデモを批判する演説を聞いた。

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タリバンは11日、大統領宮殿に旗を掲げて新政権の樹立を表明した。

その翌日に発表されたこの教育方針は、以前の慣行とは大きく変わっている。タリバン占領前のアフガニスタンでは、女性の学生に服装規定はなく、男女共学だった。

しかしハッカーニ氏は、これらの変化については非を認めず、「男女共学をやめることに何の問題もない」と説明。「国民はムスリムなので、これを受け入れるはずだ」と述べた。

大学側に男女別々の教室を作るだけのリソースがないことから、新方針が女性を教育から除外するものだと指摘する声もある。

だがハッカーニ氏は、女性教員の数も十分にそろっていること、他に選択肢がないことなどを理由に挙げている。

「すべては大学の収容能力による。男性教員がカーテン越しやテクノロジーを使って(女性の学生に)教えることも可能だ」

女性は今後、髪を覆うヒジャブの着用が義務付けられるようになるとみられているが、顔を隠す必要があるかへの言及はなかった。

カリキュラムの改定については、タリバンは「我々のイスラム的、国家的、歴史的な価値観に基づくと同時に、他国との競争にも耐えられる、理にかなった、イスラム的なカリキュラムを作りたい」と説明した。

なお、小学校や中学校、高校でも男女別の教育がなされる予定だが、こちらはすでにアフガニスタン全土で慣例化している。

過去20年で進学率も識字率も上昇

旧タリバン政権が追放された2001年以降、アフガニスタンの、特に女の子や女性の進学率や識字率は大きく改善した。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)が最近発表した報告によると、旧タリバン政権崩壊から17年後、小学校に入学した女子はゼロから250万人まで増えたという。

また、女性の識字率は10年間で2倍に当たる30%まで上昇した。

勧善懲悪省を再設置

タリバン新政権はまた、旧政府が女性の権利回復のために設置した女性課題省を廃止。代わりに勧善懲悪省を再設置した。

善悪省は旧タリバン政権時代、市民がシャリア(イスラム法)を守っているかを監視する宗教警察を擁していた。「不道徳」とみなされる服装をしていたり、男性の付添人なしで外出した女性をむちで打つことで、悪名をはせていた。

タリバン復権を前に、多くの著名な女性がアフガニスタンから出国している。ポップ歌手のアリヤナ・サイードさんはアメリカに、映画監督のサーラア・カリミさんはウクライナに、それぞれ避難した。

(英語記事 Taliban ban women from studying with men

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