カギ穴から入り、閉ざされた室内の見えない部分まで可視化してしまう新技術

GIZMODO

突入前から丸見え!

壁の向こうの見えないものを見えるようにしたい。まさにSFの世界でしかかなわないにも思えますけど、実はすでにスタンフォード大学の研究チームのComputational Imaging Labが、何年も開発に取り組んでいる技術なんです。レーザー光を壁に向かって照射し、そこから跳ね返ってくる時間差などを計測しつつ、死角にある対象物の形状まで3D化して把握しようとするアプローチなのですが…。

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Video: Stanford Computational Imaging Lab/YouTube

すでにComputational Imaging Labのアプローチは、NLOS(Non-Line-Of-Sight)のネーミングで研究が進み、前方の見えないエリアまで見通せる自動運転技術の向上などに役立てるべく、改良が重ねられています。そして、このほどComputational Imaging Labは、さらなる進化形として、小さなカギ穴やドアのすき間などからレーザー光を照射し、そこから屋内で次々と壁や対象物の位置で跳ね返って戻ってくる光子の時間差などを計測しつつ、見えない部屋の細部の様子まで3D化して表示してくれる新技術を開発。閉ざされたエリアの内部を、わずかなすき間さえ開けられれば、まるで中をくっきりとのぞいたかのごとく映し出し、捜索や戦闘シーンに活用することが目指されているんだとか。

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Image: Computational Imaging Lab

まだまだ3D化レベルは低いものの、興味深いことに、部屋の内部で動き回っているもののほうが、次々とレーザー光で形状把握を進め、より高精度に実態をつかめることがわかってきたそうです。AIトレーニングと組み合わせることにより、どんな大きさや形のものが、見えないはずの室内に存在しているのか、次第に正確に判別できるようになってきたとのことですよ。本当に実用化されてしまったら、カギ穴までふさがなければ、もう中まで丸見えという状況の部屋ばかりになりそうで、そら恐ろしいような気もしますけどね。

Source: Computational Imaging Lab

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