『ポポー』を食べてみることにした。どうやって食べたらよいのか、なんならポポーが何なのかよくわかっていない。しかし、手に入れたからには挑戦せねばなるまい。いざ、実食だ……!
・腫れたバナナのような見た目
記者がポポーに出会ったのは、奈良県のとある道の駅でのことだ。6個入りで、税込378円だった。「やわらかくなった時、食頃」とおそらく生産者さんが書いたであろうメモが、脇に添えられている以外の情報がない。
ポポーの隣にはブドウやイチジクが並んでいるところを見ると、フルーツであると推測される。ウリのようでもあり、腫れたバナナのようでもあり。触るとえらく柔らかいものもあれば、カチコチなものもある。
なんじゃこりゃーとネットでササっと検索すると、やはり果物のようだ。かつては広く栽培されていたとのことだが、今では “幻の果実” と言われるほど。北米が原産地らしい。
・正解が分からない
食べものであることが確認できたので購入して持ち帰る。顔を近づけると、ほんのりと甘い香りがする。これは……美味しいんじゃない?
触ったところ、柔らかかったのは6つのうち1つだけ。硬いものは新聞紙などで包んで冷暗所においておけば、すぐに柔らかくなるそうだ。カチコチポポーは後日食べるとして、まずは柔らかいものの皮でもむいてみようか。
包丁を入れると、スルスルとむける。あまりに力いらずなため勢い余って、少々分厚くむいてしまった。これはもしや半分に割るなどして、スプーンですくって食べるのが正解だったかもしれない。
しかし、むいてしまったものは仕方がない。何等分かにしようとしたところ、思わぬトラブルが発生。ポポー、種が多すぎるやん!! どこに包丁を入れても必ず種にぶち当たるやん!
どうにかこうにか種の合間を縫って三等分にしたが、コレジャナイ感じの見た目になってしまった。はじめて目にするモノを食べる時って、こんなにも戸惑うものなんだなとちょっとした発見だった。
・マンゴーのようなリンゴのような柿のような
肝心の味はいかがなものだろうか。フォークで刺しづらいほどの柔らかさに驚きつつ、どうにかこうにかすくって口に入れる。ふむふむ、なんとも不思議な食感と味だ。
ヌルッとした舌触りで噛むとねっとりとしており、食物繊維もそこそこ多そう。マンゴーのようなリンゴのような、はたまた柿のような味で濃厚だ。甘さがしっかりあり、酸味などはほぼなし。はじめての味である。
そしてやはり……種が多いな!! 手のひらサイズのポポーに6粒も入っていたぞ。しかも、種のひと粒一粒がそこそこデカい。
味は美味しいし、どことなく高級感もある。また見かけることがあれば、再び買ってしまうだろう。子どもから大人まで広くウケそうな味ではあったのでオススメではあるが、種にだけは注意だぞ! めっちゃ入ってるからな!!
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.