小此木陣営のマイク納め。聴衆はそこそこいたが、しんみりとしていた。白めのジャケット(後ろ姿)は石破元幹事長。=21日、横浜駅西口 撮影:田中龍作=
選挙戦最終日。夜のとばりが下り始めた頃、候補者が最後の力を振り絞って訴える。マイク納めには、選挙戦のすべてが集約される。
小此木陣営のマイク納めはあまりに淋しかった。大都市横浜の市長を決める選挙のマイク納めともなれば、大物議員がズラリと並んで当たり前である。
駆け付けた大物議員は石破元幹事長だけ。小泉進次郎環境相、河野太郎ワクチン担当相、三原じゅんこ副厚労相は、地元神奈川県連の要人であるのにもかかわらず姿を見せなかった。
自民党政権が続きさえすれば、小泉氏、河野氏は有望株だ。「岸田」「高市」…永田町では早くも次期首相の名前が取り沙汰されている。「菅の次」をめぐって永田町では熾烈な争いが始まっているのである。
菅首相の最側近とされる小此木候補の選挙に駆け付ければ、巻き添えを喰らうことになりかねない。
「菅首相(のコロナ失政)が影響していないか?」とフリ―ジャーナリストが質問すると、小此木氏は「関係ない」と答えた。他人のせいにしない小此木氏らしい対応だった。=21日、桜木町 撮影:田中龍作=
選挙戦終盤になって小此木陣営は「コロナ対策」のフレーズが付いたポスターに貼り替えた。
コロナ対策に失敗した菅首相に大きく足を引っ張られた小此木陣営の選挙戦を象徴するような「新ポスター」だった。
タウン誌上で小此木氏は菅首相の全面支援を受けた。「菅首相に叛旗を翻した方が良かった」。恨み節が、支持者から聞こえてくる。
横浜市長選挙は「菅首相が敗れた選挙」だった。
早ければ23日、遅ければパラリンピック閉幕直後の9月7日頃。「菅退陣」の報が駆け巡りそうだ。
~終わり~
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