いきなり現地に行ってあとは地元の人に頼り切って旅をする。
今回は埼玉県に行ってきました。
天国みたいな景色、でかいサメ、1000歳の盆栽、しょっぱいせんべいなどなど。埼玉、うさわ通りすごいところでした。
※これまでいろいろな場所で取材をした記事を読めば誰もが知ったかぶりできるはず。「知ったかぶり47」は、デイリーポータルZと地元のしごとに詳しいイーアイデムとのコラボ企画です。
飛んでないのに埼玉
今日の目的地は埼玉県。
僕の地元の神奈川県から都内に仕事に出るとき、うっかり電車で寝てしまうと埼玉である。そのくらい身近な場所なのだ、埼玉は。
身近なはずなのに、いざどこからが埼玉?と聞かれると正直自信がない。都内だと思っていたらいつのまにか埼玉だった、みたいなことがよくある。赤羽は埼玉なのか東京なのか。大宮は埼玉だろう、では川口は?
本を読むのにも飽きて尻が痛くなってきたころ、電車は熊谷に近づいてきた。赤羽あたりは東京なのか埼玉なのかわからなかったけど、熊谷は確実に埼玉だろう。自信をもって降りる。
朝ごはんを食べてすぐに電車に乗ったはずなのに、降りたら昼だった。
座っていただけなのにおなかが空くのには我ながら納得いかないけれど、こればかりは仕方がないので改札を出ていい匂いのする方向へ。お土産物屋さんの隣にパン屋があった。店員さんに聞くと、このあんぱんが一押しなのだとか。
併せてサンドイッチの詰め合わせボックスを買った。
座って食べられるところはないか聞くと、今なら桜がきれいなので行ってくるといいですよ、と。今年はタイミングが会わなくて桜が見られていなかったのでちょうどいいです。行きます!
パン屋さんで教わった通りに熊谷駅を南口から出ると、春らしい強風に背中を押されるように歩く人の流れがあった。みんな少しずつ浮かれているように見える。僕も浮かれスイッチを入れてその流れに乗る。
道すがら、駅ちかの駐車場は一日止めても500円だった。
こういうちょっとした文化風習の違いに触れると、旅に向かっているなと思う。
日差しが暖かかくて少し歩くと汗ばんでくる。
同じ暖かさでも神奈川とも東京ともちょと違うと思う。押しつけがましさがない、とでも言おうか。東京とかで天気がいいと「どこか遊びに行かなきゃ」と焦るけど、埼玉ではなんとなく当然のような顔をして天気がいい。
10分くらい歩くと荒川のほとりの桜並木に着いた。
今年は全国的に花見の自粛が叫ばれているため、樹の下にはブルーシートも酔っ払いもいない。
ちょっと寂しい気もするが、こんなに平和に桜を見られるのはめったにないことだと思う。
知らない町の桜を見ながら初めての店で買ったあんぱんを、あたかも地元の人のように土手に座って食べる。
土手の上を歩いているのはたぶん会ったことのない人たちである。この日常っぽい非日常こそが旅だろう。
熊谷駅の改札横のお土産物屋さんで、今なら長瀞(ながとろ)に行くと桜がきれいよと聞いていたので行ってみることにした。
熊谷から秩父線に乗る。