アニメにも色々あって、ただ単にクオリティーが高ければ良いというわけでもない。私(中澤)は、クオリティーがガチな上に内容もシリアスで隙がないと疲れてしまったりする時がある。働いていると、ほど良く抜けてないと辛いこともあるのだ。
その点で言うと、『小林さんちのメイドラゴン』のバランス感覚は完璧だ。何も考えずに片手間で見れるし、ふとした瞬間に考えさせられる。働く大人にちょうど良いアニメだと思うため、隣の席のYoshioに見せてみた。
・Yoshioとは
Yoshioはアニメを見ない。しかし、素直なため、薦められたものは結構見る。ちなみに、ロケットニュース24の創始者でありみんなの上司。練馬区出身である。
『小林さんちのメイドラゴン』の話をしてみたところ、すぐに見始めるYoshio。先ほどまでパソコンを何やらパチパチやっていた気もするが、どうせメモ帳で1人しりとりでもしていたのであろう。
・『小林さんちのメイドラゴンS』エピソード4
さて置き、Yoshioに薦めたのはAmazonプライムで最新話の『小林さんちのメイドラゴンS』エピソード4。なぜこんな中途半端なところかと言うと、このエピソードには練馬区にあった遊園地としまえんが出てくるのだ。
作中では「パルクールランド」と呼ばれているが、園内の景色やメリーゴーランド、お化け屋敷、フードコートなどがもろにとしまえん。エンドロールの取材協力の項目にも「としまえん」と表記されている。
・練馬区民が見た結果
そのため、Yoshioにとってもとっつきやすいのではないかと思ったわけだ。これをキッカケに、『小林さんちのメイドラゴン』のほんわかした世界感の沼にハマらせようという作戦である。
だがしかし……
泣いてるゥゥゥウウウ!
・泣いた理由
「良いね」くらいかと思ったら予想外すぎる反応だ。エピソード4は、ちょっとじんわりくるシーンがあっても、あくまでドタバタほんわかした雰囲気で落としていたはず。そのじんわりも泣くほどではなかった。一体Yoshioに何が起こったというのか?
Yoshio「いや、パルクールランドがとしまえん過ぎてさ……。凄い再現度じゃん? こうしてとしまえんが生き続けていくのかと思うと涙出ちゃって」
としまえん愛が深すぎた。
2020年8月、94年の歴史に幕を閉じたとしまえん。練馬区民であるYoshioは、最初に行った遊園地ももちろんとしまえんだし、成人式もとしまえんと、共に育ってきたと言っても過言ではない。
そんな練馬区民が涙せずにはいられないほどの『小林さんちのメイドラゴン』エピソード4のパルクールランド。Yoshioは最後にこうつぶやいた。「としまえんは生きている。みんなの中に」と──。としまえんForever。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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