三菱電機と三菱地所、丸の内エリア一帯の「風況」を可視化–半径1.5kmを計測

CNET Japan

 三菱電機と三菱地所は共同で8月1日、東京の丸の内エリア(大手町、丸の内、有楽町、常盤橋)の風速や風向といった“風況”を計測、可視化する実証実験を開始したと発表した。

 レーザー光を空間に発射し、大気中に浮遊している塵やエアロゾルの動きを捉えた散乱光を受信することで、遠方の風況を計測できる「ドップラーライダー」を活用する。期間は8月1~5日まで。


風を可視化するイメージ

 両社によると現在、歩行者をはじめ、建設作業やビル外窓清掃などの高所作業従事者の安全確保や、街中でのイベント参加者の快適性確保のほか、ドローンや空飛ぶクルマなどの新技術の導入加速に向け、風況データの効果的な活用が注目されているという。

 特に、高層ビルが立ち並ぶ都市部では、近年の気候変動の影響もあり、風の影響が予想しにくくなっている。高さ日本一の超高層ビルとして、2027年度に竣工予定の「Torch Tower」の開発が進む常盤橋エリアや、東京の文化的、経済的な中心である大丸有エリアでも、風が安全性や快適性に大きく影響しているという。

 今回の実験では、常盤橋タワー屋上(地上約212m)に半径1.5kmの風況を計測できるスキャニング型ドップラーライダーを設置。常盤橋、大丸有エリアを含む広範囲の風況を計測する。

 同時に、TOKYO TORCH Park(地上付近)に鉛直型ドップラーライダーと超音波風速計を設置し、常盤橋エリアを中心に上空の風況を高精度に計測するという。

 地上風(高さ2m付近)と上空風(5〜250m)の風況データ(水平、上下方向の風速と風向)を計測、可視化。計測結果を分析し、高所での建設作業やゴンドラなどを使用した窓清掃作業の強風対策、エリア内でのイベントの安全な開催、ドローンなどの安全な運航、空飛ぶクルマの安全で効率的な離着陸場運営など、風に関連する諸課題の解決に貢献するソリューションの開発に活用する。同エリアのエリアマネジメントの高度化や、安全、安心で快適なまちづくりの実現を目指すとしている。

 なお三菱電機は、同実験などをもとに開発したソリューションサービスについて、2023年度以降の提供を目指すという。

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