ステイホームを経て、植物を育てたり、花を飾ったりする人が増えたように思う。
「癒やし」とはほど遠いロケットニュースだが、今回は春のおでかけにピッタリな、花に満ちた癒やしの空間をご紹介したいと思う。
よみうりランドに隣接するフラワーパーク「HANA・BIYORI(はなびより)」。2年前にオープンしたのだが、まだ知ってる人が少ない「穴場」のお出かけスポットではないだろうか。
しかし、絶景のお花見スポットでもあり、花と緑に囲まれたスターバックスもあるこの場所はもっと知られてもいいと思う……!
・コロナ真っ只中に開園
よみうりランドの隣にあるフラワーパーク「HANA・BIYORI」が開園したのは2020年3月。コロナ禍真っ只中で、緊急事態宣言が出るのか出ないのか……と世の中が混乱していた時期である。
開園したものの、華やかなお披露目イベントもできず、開園から5日で休園になるなど大変だったそうな……。素敵なスポットなのに穴場感があるのは、そんな切ない事情があったからなのである。
のどかなムードもいいけれど、季節の花が咲き乱れる姿は秘密にしておくには、あまりにもったいない!
・右を見ても左を見ても広がる花
HANA・BIYORIは春夏秋冬、いつでも季節の植物を楽しめるようになっており
・HANA・BIYORI館
・彩りの小路
・空見の丘
・聖なる森
という4つのエリアから成っている。
今回は「HANA・BIYORI館」と「彩りの小路」を中心にレポートしたい。
取材に訪れた4月初旬は、ちょうど桜の季節。メインの「HANA・BIYORI館」をぐるりと囲む「彩りの小路」では桜が満開になっていた。
淡いピンクのソメイヨシノや、枝垂れ桜に八重桜がなんとも華やか。とりわけ目をひくのが濃いピンクの多摩緋桜。よみうりランドのオリジナルの品種なのだとか。
都心で花見をしようとすると人混みは避けられないが、ここは桜を見ながらゆったりとのどかに散歩できる。お花見の穴場スポット!
庭に咲くチューリップや菜の花、ミモザやネモフィラと一緒に桜が見られるなんて、なかなかない。ベンチもたくさんあるので、日向ぼっこをすると気持ちいい。
隣接するよみうりランドから聞こえてくる歓声や、ジェットコースターの走る音がまた賑やかでいい……。穏やかな時間が流れている。
・花園のような美しすぎるスターバックス
メインの「HANA・BIYORI館」の名物は、天井に飾られたフラワーシャンデリア。
ガラスの天井から差し込む光、暖かな室内、美しい花……。園内はいたるところにフォトスポットもある。まるで天国のよう……。
そして、HANA・BIYORIの園内にはスターバックスが入っているのだが、ここは日本初の「植物園の中のスタバ」になっていて、とんでもなく美しい空間なのである!
スターバックスのロゴのサイネージもなんと、全部植物で作られている!
こちらも天井にはフラワーシャンデリアが、テーブルの上には季節の花が飾られている。
窓から明るい日差しがさしこみ、店内のどの席からも美しい景色が楽しめるのだが、中でもベストビューは桜と花の庭が眺められる窓辺の席!
ガラスの向こうはまるで絵画の世界のよう。
海水魚が泳ぐ水槽や花を見ながらスターバックスのコーヒーを飲む……。最高に癒やされる時間。日本でも屈指の心地よさを誇るスターバックスではなかろうか……。
ちなみにスタッフの話によるとここは「ティーメニューを注文するお客様が多いです」とのこと。たしかに花と紅茶って相性いいよね。
【コツメカワウソで癒やしのダメ押し】
花の香りとコーヒータイムですでにじゅうぶん癒やされまくっているが、これだけに終わらず。みんな大好きコツメカワウソの展示コーナーもあるのだ!
コツメカワウソを生で見たのは初めてだったのだけど、水槽の中で、コツメカワウソの親子がちょこまか動いて遊ぶ様子のかわいさは異常……。
赤ちゃんが生まれたばかりで、オモチャを取り合ってやんちゃに遊ぶ様子や、ママとパパに甘える様子は永遠に見ていられる。
ときどき、飼育員さんがご飯をあげている様子も見られるのだが、立ち上がってエサをねだる動きがまたコミカルでかわいい。訪れた人はみんな夢中になって水槽を見ている。なんて穏やかな時間……。
・花✕アートのプロジェクションマッピング
さらに、花とデジタルのアートショーが行われる。
圧巻だったのが、花を描いた名画の世界に入り込める「花を愛した画家 モネ、ルノワール、ゴッホ~デジタルで描かれる植物と絵画の世界~」(2022年7月15日までの予定)。
ゴッホの『ひまわり』や、モネの『睡蓮』、ルノワールの『日傘をさす女性』などの美しい世界の中に、自分が立っているような錯覚を起こすのだ。
正直見る前は「自然の花がこれだけ美しいのだから、デジタルで花を見ても感動できないのでは……」なんて思っていたのだが、大間違い。まるで魔法でも見せられてるようだった……。
・おみやげ&ワークショップも
館内で花の癒やし効果を感じると、家にも植物を飾りたい……と思う。苔のテラリウムや、ドライフラワーのハーバリウムを作れるワークショップも開催されていて大人気。
お土産コーナーでは観葉植物や盆栽、苔、かわいい植木鉢などを売っている。
かわいい系からモダンなものまでそろっているのでお部屋をボタニカルにしたい人は、お目当てのものが見つかるはず……。
・ただいるだけで癒やされる場所
この世にテーマパークは数あれど、ここまで「癒やし」を感じられる場所は珍しいと思う。
アトラクションの楽しさや賑やかさもいいけれど、都会の喧騒から離れてこうしてのんびり花や動物を愛でられる空間、こういう場所を求めてたんだよ……としみじみしてしまった。
HANA・BIYORIの入園料は大人1200円、シニア1000円(65歳以上)、小人600円(3歳〜小学生)、そのほか、ナイター営業日は16時以降のナイター料金の設定もある。
客層も家族連れやお花好きのマダムが多く、落ち着いている。隣のよみうりランドから歓声が聞こえてきて、ほどよい明るさと賑やかさがあるのもいい。
大切な人と穏やかな時間を過ごしたいとき、疲れてひとりになりたいとき、HANA・BIYORIはどんな気分にも寄り添ってくれるテーマパークだと思う。個人的には超おすすめです!
今度は本や手帳を持ってきて、のんびりしたいわ……。
参考リンク:HANA・BIYORI
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.