株式会社インプレスR&Dは3月24日、AmazonのPOD(プリントオンデマンド)サービスを利用して個人出版を行なった人を対象に実施した「ネクパブPODアワード2022」の受賞者を発表した。グランプリは、『投資ド素人が投資初心者になるための 株・投資信託・つみたて NISA・iDeCo・ふるさと納税 超入門』を出版したEdit room:Hさんに決定した。「投資を始めてみたいけど、本当に何も全くわからない」という「初心者以下のど素人」に最初に読んで欲しい、基礎の基礎だけを解説した本だという。
ネクパブPODアワードは、プロ/アマ、ジャンルを問わず、出版内容や革新性、作品に込めたメッセージ、オンデマンド出版ならではの活用方法などの観点から、優れた出版活動を行っている著者に贈られる。POD出版分野では日本最大級の個人向け出版サービスだという「ネクパブ・オーサーズプレス」を提供するインプレスR&Dが開催し、電子書籍取次大手の株式会社メディアドゥが協賛している。今年のエントリーは212人、最終選考には36人が選ばれ、その中からグランプリを含む計12組の受賞者が決定した。
「見本書籍」のつもりが1万1000冊も売れた!
『投資ド素人が投資初心者になるための 株・投資信託・つみたて NISA・iDeCo・ふるさと納税 超入門』の著者のEdit room:Hさんは、以前は出版社で編集者として勤務していたが、現在は独立して個人でライティングや編集を請け負っているため、自身のライティング・編集の力量をクライアントに理解してもらうための「見本書籍」として同書を作ったという。「人物イラスト以外の作業は全て自分で行いました。ライティングだけでなく、本来は自分の専門ではない図版の作成、DTPなども行ったので素人くさいところもありますが、あえて外注はせずに、自分のできる範囲で作りました」(Edit room:Hさん)。
インプレスR&Dでは、「見本書籍」という目的でPOD出版を活用すること自体が新しい世代の登場と指摘する一方で、「多くの人が知りたいであろう資産運用を題材として選び、対談形式で分かりやすく、親しみやすいイラスト、そして巧みなレイアウトなど、商業出版で出せるほどの高いレベルでまとめあげられている。さらに、手頃なサイズ感やページ数、適切な価格、電子版との並行販売などもあいまって、1000件を超えるAmazonカスタマーレビューや、発売から2年近くたった現在でもコンスタントな売れ行きを獲得している」と評価。電子書籍版が半額以下の価格で販売されているにもかかわらず、POD版の紙の本だけで売り上げは1万1000冊以上。また、発売から2年近く経った現在も1カ月あたりの販売実績が伸び続けてい点は商業出版でもなかなか見られないとし、「20年後に今の時代を振り返ってみたときに、『プロの出版社と個人出版を隔てる壁が低くなっていったのは、あのころがターニングポイントだったね』と思わせられるかもしれない、そんな時代を象徴する受賞」としている。
ネクパブPODアワード2022の各賞の受賞者・作品は以下の通り。