月間アクティブユーザー数が10億人に到達したショートムービー共有サービス・TikTokの動画アルゴリズムが設計された際に定められた目標が、ニューヨークタイムズが入手したTikTokの内部文書から明らかになりました。内部文書によると、TikTokのアルゴリズムには4つの目標が定められていました。
How TikTok Reads Your Mind – The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/12/05/business/media/tiktok-algorithm.html
TikTok algorithm wants you to stick around and come back, leak reveals – The Verge
https://www.theverge.com/2021/12/6/22820305/tiktok-algorithm-explained-leak-how-it-works
TikTokのアルゴリズムについてまとめた文書「TikTok Algo 101」を入手したニューヨークタイムズによれば、TikTokのアルゴリズムには「用户价值(ユーザー価値)」「用户价值(长期)(長期ユーザー価値)」「作者价值(クリエイター価値)」「平台价值(プラットフォームの価値)」の4つが主要な目標として定められていたとのこと。同時に、視聴者を飽きさせないことを目的とした動画フィードを構築する際のクリエイターの維持や収益の確保などの考慮事項も記されているそうです。
さらに、アルゴリズムでは「デイリーアクティブユーザーを増やす」という目標を追求するために、「ユーザーがTikTokを再訪したかどうか」と「ユーザーがTikTokに滞在した時間」が特に重視されているとのこと。ニューヨークタイムズによれば、「ユーザーがある種の動画を気に入っても、アプリが同じ種類の動画をおすすめし続けると、すぐに飽きてアプリを閉じてしまうだろう」と書かれており、アプリのアルゴリズムが1つのトピックに絞っておすすめ動画を紹介するのではなく、多様なコンテンツをユーザーに示すように設計されていたそうです。
YouTubeのアルゴリズムについて追跡調査を行っているフランスの非営利団体・AlgoTransparencyの創設者であるジェローム・キャスロ氏は「TikTokのシステムは、TikTokの視聴時間が重要であることを示しており、『人々が本当に望んでいるものを与えること』とは別の方法でユーザーをTikTok依存症にさせようとしています」とコメントしています。
また、TikTok Algo 101には、いいね!の数、コメントの数、動画の視聴時間、動画の再生回数から、ユーザーの好みやおすすめを示すための方程式を簡略化したものが示されているそうです。TikTokのアプリは方程式の中でさまざまな要素に重み付けを行い、おすすめ動画を選別していると考えられます。
加えて、おすすめ動画を選出する時に、クリエイターのコンテンツ公開率、リテンション、マネタイズを考慮することで、おすすめ動画の質を決定づけているそうです。
このようなアルゴリズムによって、TikTokはInstagramやFacebookよりも「ニッチなコミュニティにコンテンツを届ける」ことが可能になります
TikTokで従来の方法に頼らずニッチな製品を「本当に欲しい人」に届ける方法 | GIGAZINE.BIZ
https://gigazine.biz/2021/11/20/non-traditional-brands-connecting-fans/
この点についてTikTokの広報担当者であるジャミー・ファヴァッサ氏は「クリエイターが収益を上げているかどうかはアプリのアルゴリズムに入力される要素ではありません。おすすめされる動画は、ユーザーの満足度を高めるための最適化の結果です」とコメントしています。
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