Evernoteの久しぶりの新機能、Evernote Home

ライフハッキング

ここしばらく、Evernoteは過去の負の遺産をとりのぞいて、安定した、新機能を追加しやすいプラットフォーム作りに集中していました。去年の後半から新しい Mac / Win クライアントがリリースされ、iOS / Android 版のアプリがリリースされて、ようやくスタート地点に戻ってきた印象があります。

そして2021年、ついに新機能っぽいものがやってきました。Evernoteをきどうした時に最初にみる画面、ホーム画面の登場です。

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動画で見ているとなかなか楽しそうなのですが、要するに一時期流行っていた「ウィジェット」の UIで Evernoteの各種機能にアクセスできるようになったというものです。

現時点でウィジェットの種類はあまり豊富ではなく、これまでもEvernoteのサイドバーでアクセスできたものがほとんどです。

ウィジェットになっている利点として「最近使ったノート」や「最近保存したノート」などはプレビューをみることができますし、タグもタグクラウドになっていて一望できるようになっています。

ウィジェットの配置と横方向の大きさは自由に変えることができます。また、ホームの背景画像もカスタマイズが可能になっています。

大きさは、小型、中型、そして横いっぱいの3種類から選択が可能になっていて、他のウィジェットは上手に配置されます。

ただし、現時点では残念なことにウィジェットは一種類につき一つだけとなっていますので、固定したノートをいくつか仕事のエントリーポイントとして用意するといったことはできません。

ホーム画面での新しい機能として、スクラッチパッドがあります。付箋のような見た目のこの部分は自由にテキストを入力することが可能になっており、あとからノートに変換することが可能です。

ウィジェットは今後強化される予定。ただし本質的な問題も

現時点ではまだまだ制限が多いウィジェット機能ですが、今後種類も機能も増えることが予告されています。ですので、現時点ではあまり利用していて「便利になった!」という感覚は薄いはずですが、今後に期待したいと思います。

より本質的なのは、Evernote の抱えている問題は過去のデータの上に新しいUIを被せただけでは解決不能だという問題です。今回のウィジェットの中に「検索」のウィジェットが入っていなかったのは意外で、まだまだEvernoteが「どのようにデータにアクセスしてほしいのか」を決めかねていることを示しています。

たとえばEvernoteの競争相手として一気に知名度が高まった Notion で私は最近読んだ本やコミックの一覧をつけ始めていますが、最近 Evernote よりも Notion を使った方が楽な場面が多くなっていることが気がかりです。

Notion は「インタラクティブなテキスト」であることに価値を見出しており、データを追加する事、「読書中」「読了」といったプロパティを自由に設定して整理することといった機能が充実しています。Evernoteは元々「ウェブ上の情報をそのまま保存する」事に特化していましたので、これが苦手です。

逆にいうと、Notion はインタラクティブさが強いために「いま関心がある」「いま操作する必要がある」データには強いものの、情報の長期間のアーカイブという性質は少なくなっています。

Evernoteは常にこの「アーカイブのサービス」なのか「インタラクティブな、仕事の現場のサービス」なのかで揺れてきましたし、揺れるたびに方向性を見失う傾向がありました。

莫大な情報を預けているからこそ、Evernoteには知識や経験を引き出すサービスになりうるポテンシャルがあります。今の方向性がそうした場所への通過点であることを祈っています。

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