PlayStation 5にソニー傘下NextorageのSSD「NEM-PAシリーズ」を装着してロード時間の変化を確かめてみた

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2021年9月15日(水)のシステムソフトウェアアップデートにより、PlayStation 5(PS5)がSSDの増設に対応しました。増設可能なSSDの仕様は公式サポートで公開されていますが、どのSSDを選べばいいのかはSSD初心者にとって難しい問題であり、増設後のロード時間の変化も気になるポイントです。そんな中、ソニー傘下のメモリ開発企業・NextorageからPS5用に開発されたSSD「NEM-PAシリーズ」が登場。一足先に触る機会を得られたので、実際にPS5に装着する手順やゲームのロード時間の変化を確かめてみました。

PlayStation®5で使える* PCIe®4.0 M.2 2280ヒートシンク一体型SSD 商品化のお知らせ – Nextorage
https://www.nextorage.net/articles/210906/

NEM-PAシリーズ|M.2 2280 PCIe®4.0 SSD + Heatsink – Nextorage
https://www.nextorage.net/nem-pa/

NEM-PAシリーズには1TB版と2TB版がラインナップされており、それぞれの外観は以下のフォトレビュー記事で確認可能。今回は、実際にNEM-PAシリーズをPS5に装着してゲームのロード時間や起動時間の変化を確かめます。

PlayStation 5にそのまま増設OKのヒートシンク付きSSD「NEM-PAシリーズ」がソニー傘下のNextorageから登場、早速開封&フォトレビュー – GIGAZINE


・目次
◆PS5への取り付け手順
◆取り付け後の設定
◆インストール済みゲームをNEM-PAシリーズに移動させる
◆ゲームの起動時間やロード時間を比較してみた
◆NEM-PAシリーズのヒートシンクの効果
◆まとめ

◆PS5への取り付け手順
それでは、NEM-PAシリーズの1TB版をPS5に装着してみます。装着作業を始める前に、まずPS5のシステムソフトウェアを最新版にアップデートしておきます。

アップデートが完了したらPS5の電源を切り、ディスクの挿入口がある側(縦置きして正面から見た時に右側になる方)の白いパネルを取り外します。白いパネルは赤枠の部分で固定されているので……


固定されている部分を手で引き上げながら、縦置きした際に底面になる方向へ向かってスライドさせると外すことができます。


プレートを外すと、細長いシルバーのカバーが見えます。SSDは、このシルバーのカバーの下に取り付けます。


ファンの中にネジが落ちないように注意しながらドライバーでネジを外します。


シルバーのカバーを取り外すと、スペーサーが赤枠の部分にネジで固定されているので……


このネジも外します。


ネジを外したら、スペーサーを取り付けるSSDにあった位置に置きます。NEM-PAシリーズの場合は、「80」と記された赤枠の位置に置けばOK。


次に、NEM-PAの1TB版を装着します。水平ではなく斜め方向から差し込むのがコツ。


奥まで差し込んだら、ネジでスペーサーごと固定します。


後はシルバーのカバーを元に戻して……


白いカバーも元に戻せば、取り付け完了です。


◆取り付け後の設定
SSDを取り付けてからPS5を起動すると、SSDのフォーマットを求める画面が表示されるので、「M.2 SSDをフォーマット」を選択します。


数秒待つと……


装着したNEM-PAの1TB版の読込速度が「6557.27MB/s」と表示されました。NEM-PAの1TB版の読み込み速度の公称値は7300MB/sなので、公称値に近い性能を記録しています。読み込み速度を確認したら、「OK」を選択して次の画面へ進みます。


フォーマット完了画面が表示されれば、設定は完了です。完了画面は「OK」を選択すると閉じられます。


設定画面からストレージを確認すると、M.2 ストレージの欄に装着したNEM-PAシリーズの型番や空き容量が表示されていました。


ストレージ設定の「インストール先」では、ゲームやアプリを本体ストレージと装着したSSDのどちらに保存するかを選択できます。


◆インストール済みゲームをNEM-PAシリーズに移動させる
NEM-PAシリーズをPSに装着したら、インストール済みのゲームやアプリをNEM-PAシリーズに移動させることができます。ゲームを移動させるには、移動させたいゲームのメニューから「ゲームとアプリを移動」を選択。


すると、移動可能なゲームやアプリの一覧が表示されるので、移動させたいゲームにチェックを入れて「移動」を選択します。


移動確認画面が表示されたら「OK」を選択。


移動が完了するまでしばらく待ちます。今回は合計303.7GBのゲームを1TB版のNEM-PAシリーズへ移動させるのに約4分40秒かかりました。概算になりますが、転送速度は約1080MB/sといったところ。


それぞれのゲームが本体ストレージと増設したSSDのどちらにインストールされているかは、ゲームの情報画面で確認できます。


増設したSSDに保存されているゲームは、以下のようにインストール場所の欄に「M.2 SSDストレージ」と表示されます。


◆ゲームの起動時間やロード時間を比較してみた
NEM-PAシリーズの1TB版(NEM-PA1TB)や2TB版(NEM-PA2TB)にゲームをインストールした場合でも、PS5の高速なゲーム起動&ロードを体験できるのか気になったので、PS5に最初から搭載されている純正SSDやNEM-PA1TB、NEM-PA2TBに同じゲームをインストールして、起動時間やロード時間を比較してみました。実際の起動やロードの様子は、以下のムービーで確認できます。

PlayStation 5にソニー傘下のNextorageが開発したSSDを増設してロード時間を比較してみた – YouTube
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まず、「コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー」を起動してから「×で開始」が表示されるまでの時間を計測したところ、純正SSDが12.71秒、NEM-PA1TBが12.41秒、NEM-PA2TBが12.15秒で、NEM-PAシリーズからゲームを起動しても、内蔵SSDから起動するのとほぼロード時間は変わらない結果となりました。


次に、「Devil May Cry 5 Special Edition」を起動してから「PRESS ANY BUTTON」が表示されるまでの時間を計測したところ、純正SSDが40.28秒、NEM-PA1TBが38.33秒、NEM-PA2TBが38.61秒で、NEM-PAシリーズの方が約2秒高速に起動できました。


最後に「Demon’s Souls」の要石に触れてからキャラクターが操作を受け付けるまでの時間を計測した結果、純正SSDが7.70秒、NEM-PA1TBが7.71秒、NEM-PA2TBが7.76秒で、ほとんど同じ早さでロードできました。


◆NEM-PAシリーズのヒートシンクの効果
ソニーの公式サポートではPS5に増設するSSDにはヒートシンクやサーマルパッドを装着するように求められており、NEM-PAシリーズにもヒートシンクが搭載されています。


このヒートシンクの効果を確かめるべく、ゲームデータの移動中にサーモカメラ「FLIR ONE Pro」で最も高温な部分の温度を測定したところ、1TB版・2TB版共に47度前後が最高温度となっていました。ヒートシンクは十分な効果を発揮しているようです。


さらに、NEM-PAの2TB版を装着してシルバーのカバーを取り付けた状態で、同様にゲームデータを移動させながら温度を測定したところ、シルバーのカバーの最も高温な部分は29度前後で、シルバーのカバーと周囲のプラスチックの間に設けられた隙間が37.9度に達していました。シルバーのカバーは完全に密封しているわけではなく、必要な排熱は行われているようです。


◆まとめ
NEM-PAシリーズを実際にPS5に装着してみたところ、複雑な設定などは不要でストレージ容量を増やすことができ、PS5の高速なロード&起動も損ないませんでした。また、ヒートシンクが標準搭載されており、ゲームのロードを連続で行っても40~50度を維持できるので、「PS5にSSDを増設したいけどSSDの選び方が分からない」「どんなヒートシンクを用意すれば分からない」という人にオススメできるSSDです。

NEM-PAシリーズの価格はオープンプライスで、2021年9月下旬から全国の量販店やネットストアに登場予定。記事作成時点ではヨドバシ.comで2TB版を6万8667円、1TB版を3万6444円で予約できます。

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