一般社団法人IPoE協議会と株式会社企は6月15日、NTT東西が提供する「フレッツ光」によるIPv6インターネット接続機能を利用するIPoE接続サービス契約数などを公表した。2023年3月時点でのIPoE(IPv6 IPoE)接続契約総数は1614万8252回線となっている。
今回の発表は、政策決定や事業戦略決定などにおいて客観的な基礎データとして参照できる、IPoE接続サービスの具体的な利用状況を明らかにし、エビデンスに基づいた議論の推進に資することを目的としたもの。
IPv6の普及状況をはかるエビデンスとしては、2012年よりIPv6普及・高度化推進協議会らがフレッツ光ネクスト網におけるIPv6普及率を調査・発表していたが、2021年3月発表のデータで普及率80%に達し、役割を終えたとして調査を終了していた。今回の発表は、この後継とも捉えられる。
2023年3月時点でのIPoE接続契約総数1614万8252回線というデータは、IPoE協議会会員であるVNE(Virtual Network Enabler:フレッツ光の加入者が利用できるネイティブ方式のIPv6接続サービスをローミング提供する事業者)9社のデータの合算。NTT東⻄の「フレッツ光」契約数総計は、2023年3月末時点で約2357.5万回線(NTT東は2022年9月時点のデータで1328.0万、NTT⻄は2023年3月時点のデータで1024.9万)で、この約68.5%にあたる。
IPv6普及・高度化推進協議会らが発表していたデータでは、IPv6普及率として、IPoE接続契約のほかPPPoE実測契約数(四半期の3カ月間にPPPoEアクセスのあったユニークな契約の集計値)を計算していた。また、データ提供元も異なるため、今回の数値と先述した2021年に普及率80%という数字を単純に比較はできない。IPoE協議会では今後も半年ごとに契約数などをウェブサイトにて公開するとしており、普及の推移を可視化できるようになることが期待される。
なお、データ提供元である9社の内訳は、朝日ネット、アルテリア・ネットワークス、インターネットマルチフィード、NTTコミュニケーションズ、JPIX、ビッグローブ、BBIX、ファミリーネットジャパン、楽天モバイル(五十音順)。
IPoE協議会では、IPoE接続契約総数のほかに、接続ポート総数が100Gbps 376ポート(37Tbps相当)、利用ISP数229社(こちらは9社でなく8社の合計で、データ非提供の会社名は公表されていない)とのデータも発表している。