先日、焼肉重を売っている自販機を見つけた。商品の正式名称は「九州産牛カルビ 焼肉重」で、価格は900円。
吉野家に行けば並盛の牛丼を2つ買えるだけに、試してみるのは勇気がいる値段……と躊躇(ちゅうちょ)する人が多そうだから、私が買ってみたぞ。
ただ、その焼肉重を食べるだけでは “味的にどのレベルか” がいまいち分からないだろう。そこで、吉野家の牛焼肉丼(並盛・624円)も一緒に買って食べ比べてみることに。
・自販機の焼肉重(900円)VS 吉野家の牛焼肉丼(624円)
この2つ、当初私は結構いい勝負になるのではないかと思っていた。価格に差があるものの、自販機の焼肉重は冷凍。このハンデがどれくらいあるかわからないが、影響がゼロということはないはず。
なので、自販機の対戦相手にはあえて安い商品をチョイス。もしも自販機がブッちぎって勝負にならなかったら、同じ価格くらいの焼肉丼で再度勝負すればいいだけ。そのくらいに考えていたのだが……
開封した時点で、勝負のゆくえが想定外の方向に向かっているのを感じた。
どちらも同じようなバラ肉系を使った重(丼)でありながら、肉の量に結構な差があるのだ。吉野家の方が明らかに多く、丼の全面に敷き詰められている。
対する自販機は40%が野菜ゾーンで、その下には何もない。彩りこそ自販機の方がキレイであるものの、肉の主張は弱め。さらに、自販機は肉1枚1枚が結構小さい。
で、肝心の味であるが、自販機の方は甘く味付けされていた。見た目でなんとなく分かるとおり、とにかく甘いのだ。もはや佃煮レベル。それだけに嫌いな人はいなさそうなのだが……肉で勝負している感はあまりなかった。
逆に、肉で勝負しまくっているのは吉野家。味付けはやや甘い程度で、自販機ほどではない。見た目も無骨ながら、「美味くてボリュームがそこそこあればいいんだろ?」と言っているかのようだった。そして私は食べながら「その通りです」と思った。
よって、この勝負は吉野家の圧勝。価格差を考えると、ジャイアント・キリングと言っていいかもしれない。
ちなみに、この自販機(active DELI)で私は以前に「うな重」も買っており、宇奈ととと食べ比べている。そのときも含めると、自販機はこれで2連敗。
自販機的には残念な結果だが、それだけ今の日本には安くて美味いものが溢れているとも言える。つまり、「わざわざ自販機で買わなくても……」ということが多いのだ。
その状況を、自販機は変えられるのか? チェーン店やコンビニ等からシェアを奪えるのか? どうなるか確かめるために、今後も私は自販機で珍しいものを見かけたら食べ比べていく所存だ。
参考リンク:active DELI、吉野家「牛焼肉丼」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.