少し前からセブンイレブン限定で謎すぎる味のポテトチップスが販売されている。パッと見た感じは黒板や学校をイメージしたかのような可愛いらしいパッケージだ。
だが、そのフレーバーはまさかのステーキ×コーヒー味(153円)。上役の最終チェックをすり抜けてそのままやって来ましたみたいな面構えをしている。
ここまで味の想像がつかないポテトチップスに出会ったのは初めてだ。パッケージのチャート的にはお互いの欠けてるところを補い合っているような感じだが、一体どんな味がするのだろうか。
・わさビーフでおなじみ、山芳製菓が作り出したポテトチップス
そもそも、ステーキのお供にコーヒーを飲む人ってどのくらいいるのだろう。正直あまり聞いたことがない。
組み合わせが謎すぎて若干の地雷臭がするが、味覚センサーでの分析に基づき選ばれたバランスの取れた組み合わせとのこと。おいしさの科学と銘打つからには、ステーキとコーヒーが混ざり合って思いもよらない化学変化が起こっているに違いない。
開けてみたところ、中身はいたって普通。ポテチにまぶされている黒いパウダーの中にコーヒー成分が含まれているのだろう。そのわりにコーヒーの香りは全く感じ取れないぞ?
ゲテモノを食らうくらいの気持ちで口にいれたが、思ったよりも普通にコンソメの味で拍子抜けしてしまった。家族2人に味の詳細を伏せて食べさせたところ、やはり「コンソメ味」との見解で一致した。
何も言わなくても一口目からステーキとコーヒーを感じ取れる人は、おそらく薙切えりな(食戟のソーマ)並みの「神の舌」の持ち主だろう。私の場合は、何味か知っているがなんとなくビーフエキスを感じとれる程度であった。
コーヒーの味はどこにいるのだろうかと思いながら食べ進めていると、舌と喉に苦みと酸味が残ることに気づく。なーるほど、これがコーヒーの部分なのか。ピーマンやサザエと同じように、後引く苦みがクセになって美味しい。
公式ツイッターで「食べ続けていくと、よりその美味しさを感じます」と書かれていたように、ジワジワと浸透してくるような複雑な味がこの商品の真骨頂なのだろう。最初はよくわからない味だけど食べ進めるうちに不思議と止まらなくなる、そんな印象を受けた。
・「よくわからんがうまい」それに尽きるポテチだった
どんな味だったかをまとめると「基本の味はビーフコンソメだが後味は微かにコーヒーの風味がする」といったところだろうか。パウダーのかかり具合によってコーヒーを強く感じる部分もあったため一概には言えないが、ステーキとコーヒーをダイレクトに味わえるポテトチップスではなかったように思える。
ただ、そのことと商品の美味しさとはまた別問題。とんでもない化学変化が起こっているわけではなかったが、酸味・苦味・旨み・塩味の全てを感じることができ、ポテトチップスとしては手が止まらなくなるぐらい美味しかった。SNS上でも「味はよくわからないがうまい」との声が多数見受けられたことから、美味しければ万事OKってやつだろう。
ただ一つだけ気になったことがありまして……。分析チャート的には数値は高くないのだけれど、甘味を結構強く感じたんですよ。なんでだろう、私の舌がバカだったのかなぁと気になってパッケージをよく見てみたところ……
一般的なステーキとコーヒーの相性を測定しており、本品は測定していません。
って、ポテチの本品は測ってないんかーい! まさかの事実にビックリである。
ということは、出来上がったポテトチップスがどういった味なのかは、チャートは一切関係なく消費者である我々の判断にゆだねられているということだ。味覚に自信がある人は自分の舌でどういった味わいなのかを是非確かめてみてほしい。
参考リンク:Twitter @yamayoshiseika、セブンイレブン「山芳 おいしさの科学 ステーキ×コーヒー味(税込153円)」
執筆:まろ
Photo:RocketNews24.