アマゾン、「はるかに大規模で汎用的な」言語モデルを開発中–「Alexa」強化に向け

CNET Japan

 Amazonの最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏は第1四半期決算発表の会見で、「Alexa」を強化するために「今よりはるかに規模が大きく、汎用性と能力が高い」大規模言語モデル(LLM)の開発に取り組んでいることを明らかにした。

Alexaのロゴ
提供:Photo by Thomas Trutschel/Photothek via Getty Images

 Jassy氏はこのLLMについて、Alexaを世界最高のパーソナルアシスタントに押し上げてくれると考えているようだ。今回の発表は、数千人規模のレイオフを実施し、フィットネス製品ライン「Halo」の終了を発表した後に続くものだ。

 同氏は、より複雑なタスクを実行できるモデルをAlexaに搭載したい考えだ。「ChatGPT」がLLMの活用方法で業界に革命をもたらすなど、LLMはこのところ大ブームとなっている。

 同氏はまた、多くの顧客が複数のAlexa対応デバイスを自宅に所有しているため、この取り組みはうまくいくと考えているという。また、同社のすべての事業が「LLMを基盤として顧客体験の刷新に乗り出しているため、Amazonのあらゆるビジネス、ストア、広告、デバイス、エンターテインメントでその成果が見られるようになるだろう」と、同氏は述べている。

 ChatGPTが登場する数カ月前まで、LLMや生成系人工知能(AI)はそれほど強い印象を与えるものではなかったが、このようなテクノロジーは今、同社の顧客体験のあらゆる面を変革する能力を備えていると、同氏は語った。

 こうしたテクノロジーが、ユーザーとAlexaとのやり取りにどのような変革をもたらすのかは分からない。しかし、より包括的な対話能力や情報収集能力を備えたAlexaで何ができるようになるのか、考えずにはいられない。

 もしかすると、Alexaが人間のコミュニケーションのニュアンスをより正確に理解し、もっと人間らしい会話ができるようになるのかもしれない。あるいは、探している製品を売っている最寄りの店舗を教えてくれるようになる可能性もある。

 ごく最近まで、AppleやAmazonは、LLMや生成系AIを使って既存の言語アシスタントを強化する計画について、ほぼ無言を貫いてきた。今の「Siri」とAlexaは情報収集能力や対話能力に限界があるが、その状況も間もなく変わるのかもしれない。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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