プロ野球・北海道日本ハムから巨人へ移籍し、2021年8月22日の試合で移籍後初ホームランを放った中田翔選手。試合翌日、スポーツ各紙は一面で中田選手の活躍を報じた。
ただ、中田選手は日本ハムで暴行事件を起こし、「当面の間の出場停止処分」を受けていたばかり。ツイッター上では、活躍を報じるメディアに対し「取り上げ方が気持ち悪い」「美談にしようとしてる」と厳しい声も聞かれている。
事件発覚からわずか11日で…
中田選手は07年高校生ドラフト1位で4球団競合の末、大阪桐蔭高校から日本ハムに入団。11年~20年には10年連続で2桁本塁打を記録し、3度の打点王に輝くなど、チームの主砲として活躍してきた。
しかし、今季は前半戦まで39試合で打率.193、4本塁打と苦しんでいた。そうした中、日本ハムは8月11日に「中田選手の違反行為と処分について」と題した文書を公式サイトに掲載。内容は8月4日、DeNAとのエキシビションマッチの試合開始前に、中田選手がチームメイト一人に対し暴力行為を行ったというものだった。球団は球場からの退場と自宅謹慎を命じ、11日から当面の間の一軍・ファーム全試合における出場停止処分を下した。
16日には日本ハムの栗山監督が「このチームでは難しい」と、中田選手のシーズン中の復帰困難を示唆する発言をしたことが、スポーツ紙などで報じられた。
その4日後の20日、巨人への無償トレードでの移籍が決定した。移籍決定後、記者会見に臨んだ中田選手は「皆さんに迷惑をかけてしまったこと、本当に反省しています」と謝罪。その上で「一から自分をしっかり見つめ直してやっていきたい」と巨人での活躍に意欲を見せていた。
会見を開いた同日中に一軍練習に合流すると、翌21日には代打で移籍後初出場。22日には巨人の長嶋茂雄終始名誉会長と面会する様子が報じられ、5番・一塁でスタメン出場した試合でも移籍後初ホームランを放った。
事件が明るみになってから、移籍先の巨人で活躍するまで、わずか11日の出来事だった。