食
パスタメーカーのBarilla(バリラ)が「パッシブクッキング」と題する新しいパスタの調理法を紹介しました。その調理法は沸騰後2分で火を消すという方法で、「従来の方法と比較して二酸化炭素(CO2)排出量を最大80%できる」と主張されましたが、その調理法にネットユーザーから突っ込みが入りました。
Barilla | Passive Cooking
https://www.barilla.com/en-gb/passive-cooking
Cuisson passive : la technique pour économiser l’énergie de la cuisson – Elle à Table
https://www.elle.fr/Elle-a-Table/Les-dossiers-de-la-redaction/News-de-la-redaction/Cuisson-passive-4074581
パッシブクッキングはもともと19世紀末に登場した技術とされています。その調理法は「沸騰させたお湯にパスタを入れ、2分間ゆでた後に火を消し、鍋にふたをしてしばらく待つ」というものです。
Barillaは「しばらく待つ」という指示を具体的に掘り下げ、自社で販売するパスタの種類ごとに「何分待てばいいのか」を詳しく表にまとめました。例えば一般的によく使われるスパゲティ「Barilla No.5」の場合、通常のゆで時間は9分ですが、パッシブクッキングの場合は2分ゆでて8分待つといいとのこと。
PASSIVE COOKING TIMING GUIDE
(PDFファイル)https://www.barilla.com//-/media/images/shared/passive-cooking/download/passive-cooking-timing-guide.pdf
Barillaは「パッシブクッキングでCO2排出量が最大80%削減されます。世界中で約1600万トンのパスタが生産されていますが、これは毎日約4億食のパスタが食べられていることを意味します。この料理法が多くの人に採用されれば、地球環境に大きな影響を与えることになります」と述べました。ただし、なお書きで「湯沸かし段階を除く」と書かれている点にネットユーザーが着目。
Hacker Newsユーザーのmattmaroon氏は「水は比熱がとても大きいですし、麺よりも水の方が量が多く、麺よりも水を加熱する方がはるかに多くのエネルギーを使っているのです。パッシブクッキングでは沸騰するとスイッチを切るよう推奨していますが、ほとんどの人はこれと同じタイミングで弱火に切り替えています。このことを考えると、工程の最後の25%くらいしかエネルギーを節約できないんじゃないでしょうか」とコメントしました。
反対に、「蓋をして火を消しても、10分では中の水はあまり冷えません。私はいつも、12分と書いてあったら6分ゆでて火を止めるというテクニックを使っていましたが、一度も失敗したことはありません。自分で試してみて判断すればいいんです」というコメントも見られます。
パッシブクッキングはノーベル物理学賞を受賞したジョルジョ・パリシ氏も「エネルギー消費を抑える」という点から推奨していましたが、シェフのアントネッロ・コロンナ氏などは「このように調理するとパスタがゴムのような食感になります。高級レストランでは使用できません」という厳しい意見をぶつけていました。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻などで燃料費が高騰している中、このようなエネルギー節約法を歓迎する声も挙げられています。
なお、Barillaはパッシブクッキングをより正確に行うことができるデバイスを設計し、オープンソースとして公開しました。このデバイスはスマートフォンとペアリングして使うもので、鍋のふたに取り付けると沸騰を検知してパスタを入れるよう通知し、その2分後には火を消すようにアラームを鳴らすものだそうです。
Barilla – A Couple Of Minutes Can Make The Difference | Passive Cooker – YouTube
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