TikTok で顧客の共感を生むバイラルコンテンツを生み出すには:「インフルエンサーではない、リアルな人々が必要だ」

DIGIDAY

2019年に創業したD2Cスキンケアブランドであるトゥルーリー(Truly)は、TikTokに投資することで、同アプリに費やす時間が増えているZ世代やミレニアル世代をターゲットとしたブランドの認知度を上げようとしている。

2021年に同社の製品がTikTokのハッシュタグ「#TikTokMadeMeBuyIt(TikTokで見て買った)」にフィーチャーされたのを見て、トゥルーリーはこのハッシュタグをTikTokにおけるマーケティング戦略の一環として使用し、同ブランドのTikTokページへのトラフィックを増やすことを決めた。

「バイラルスキンケア」をいかに際立たせるか

TikTokといえば動画の「バイラル」が有名だが、トゥルーリーの製品は「バイラルスキンケア」と定義されている。同社によると、明るい色が渦巻きを作るデザインのプロダクト、魅惑的なスクラブ、ユニークなにきびパッチなどの製品群は、ターゲットとなるオーディエンスを大いに魅了できるという。TikTokはこのターゲット層に到達するのに完璧だ。同プラットフォームによると、ユーザーの大半は18歳から34歳だ。

「私たちがこのハッシュタグを活用したいのは、TikTokというバイラル・ソーシャルチャネルはブランドに驚くべき効果をもたらすことがわかっているからだ」とトゥルーリーのソーシャルメディアマネージャーのタイラー・ムーア氏は語った。

スキンケアが単なるグルーミング行為を超えたものとして進化するにつれ、ミレニアル世代とZ世代は、目に見える毛穴、ニキビ、黒ずみ、毛穴などの肌の悩みと、彼らの興味に応じたブランド市場に基づいてセグメント化されている。「私たちはこのような肌の悩みに真正面から向き合う製品を作っている。人の体のことを包み隠さない率直な方法で語ることもためらわない」とムーア氏は言う。

ソーシャルメディアのインフルエンサーに頼るのではなく、トゥルーリーはTikTok動画の中でASMRなどのトレンドを際立たせるために、いわば「リアルな人々」を使っている。すべてのコンテンツは、トゥルーリーの社内マーケティングチームによって制作される。「顧客の共感を呼ぶような広範囲に及ぶバイラルコンテンツを生み出すには、クリエイティブなプロセスと、そのクリエイティブを人気にするための重要な要素を自分達がコントロールしなければならないことがわかった」と同氏は言う。

長編ビデオでクリエイティブの柔軟性が向上

同社の顧客は、TikTokとインスタグラムにおけるブランドのソーシャル・コミュニティに招待され、トゥルーリーのブランドと製品に関する正直なフィードバックを共有することができる。同社は、透明性を確保するために、すべてのコメントが常に表示されるようにしている。

2020年から2021年の間に、トゥルーリーはTikTokで100万人のフォロワーを集めた。この期間に、同プラットフォームの動画の尺制限は15秒から1分に引き上げられた。これを活用するために、トゥルーリーは寸劇やスキンケアルーチンを通じて製品を宣伝する長編ビデオの制作を始めた。

「トゥルーリーでは、コンテンツが重要であることを理解している。そのため、長いビデオを使用することで、コンテンツ制作の柔軟性が高まる」とムーア氏は言う。

トゥルーリーの広告予算のうち、どの程度がマーケティング戦略に割り当てられているかは不明だ。ムーアは全体的な予算の詳細を明らかにしなかった。しかしムーア氏によると、広告予算の100%はデジタル関連だという。そのうちの90%は、オーガニックなアプローチに頼る中でFacebook、TikTok、Googleなどの有料ソーシャルおよび有料検索に割り当てられている。「私たちは、非常に低コストで制作できるビデオを通じて、オーガニックなトラフィックを促進することに重点を置いている」とムーア氏は言う。パスマティックス(Pathmatics)とカンター(Kantar)による同社の広告費データはない。

「ハイプハウス型」モデルがもたらした成功

D2Cランドの世界には、若者が最も多くの時間を費やすソーシャルチャネルをターゲットにすることで、若い世代にリーチしているブランドがほかにもある。デュー(Deux)ソース(Sourse)は、ソーシャルメディアで消費者層にリーチした最新のブランドだ。

テクノロジーを活用したグロースマーケティング企業、パワー・デジタル(Power Digital)の最高成長責任者のロブ・ジュエル氏もこのアプローチに同調している。同氏は、オーディエンスが共感できるコンテンツにリアルな消費者を使うトゥルーリーのアプローチは効果的だと考えている。「(トゥルーリーは)消費者にとって魅力的なASMRのようなトレンドを通じてクリエイティブなものを制作、テストすることに特化したアプローチをとっている。この『ハイプハウス型』とも呼ぶべきモデルを通じて、同社はスマートなマーケティング戦略を開発した」と同氏は述べる。「まるで自分自身がその(ビデオで表現されている)瞬間を体験しているかのように感じる」。

ソフトウェア開発プラットフォームのトリプル・ウェール(Triple Whale)でブランドを率いるアレクサ・キルロイ氏も、「トゥルーリーがTikTokで驚異的な成長を遂げたことは驚きではない。刺激的な製品名と鮮やかな色、ユニークなテクスチャーの組み合わせは、特にZ世代の市場では、プラットフォーム上で成長しているコンテンツの種類を正確に表している」と同様の意見を述べている。

[原文:DTC skincare brand Truly turns to TikTok to reach Gen Z and millennials through short-form videos

Julian Cannon(翻訳:塚本 紺、編集:分島翔平)

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