撮影したのは、NASA最年長の宇宙飛行士。
地球から400km上空を周回する国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗したNASAのDon Pettit宇宙飛行士が、ISSにドッキングしたSpaceXのドラゴンクルー宇宙船の窓から撮影した写真をXに投稿しました。
宇宙飛行士が自作したトラッキング装置
画像に写っているのは、星が散らばる天の川銀河のローカルグループに属する2つの銀河と星雲。
「星空を撮影するために必要な長時間露光を可能にする自家製のトラッキング装置を飛ばしました。このような写真をもっとお楽しみに」とPettit氏はXに書いています。
Pettit氏が制作した星を追尾するトラッキング装置は、星の動きを相殺するためにカメラと三脚の間に設置する電動マウント。これによりISS から撮影される通常のぼやけた写真ではなく、低軌道から星を鮮明に見ることができます。
撮影に成功した2つの衛星銀河
LiveScienceによると、この2つの銀河は大マゼラン雲と小マゼラン雲とのこと。どちらも天の川銀河に最も近い銀河で、南半球の夜空で見ることができます。
大マゼラン雲は、地球から約16万光年離れた衛星銀河(伴銀河)で、約300億個の恒星を含んでいます。それと対となる小マゼラン雲は、約30億個の恒星を含む矮小銀河です。小マゼラン雲は、地球から約21万光年離れたところにあり、大マゼラン雲より少し遠くにあります。どちらの銀河も、天の川銀河の周囲を公転する衛星銀河と考えられています。
ちなみにPettit氏が、ISSから画像を発信するのはこれが初めてではありません。2024年12月初め、同氏は宇宙ステーションの外に浮かぶ“宇宙のホタル”と名付けた物体を撮影しましたが、実際には太陽光を反射するStarlink(スターリンク)衛星でした。
NASAの宇宙飛行士は2024年9月にロシアのソユーズ宇宙船に乗り込み、第72次長期滞在ミッションの一環としてISSに向かいました。
現在69歳のPettit氏は、NASAで最年長の現役宇宙飛行士で、宇宙滞在日数は370日以上、船外活動時間は13時間以上を記録しています。