日米でも買えたらなあ。
OPPO Find 8X Pro(RAM16GB、ストレージ512GB)に触ってみたら、iPhoneとほとんど変わらなくて驚きました。Androidでここまでできるんですね。
存在感のあるデザインと抜群の耐久性。Hasselblad(ハッセルブラッド)のカメラ搭載。6.78インチのディスプレイは、これまで手にしたスマホで一番明るく感じました。充電も80Wの急速充電でスピーディーにできます。
しかもプロセッサーはMediaTek製。AI機能ももちろん盛り込まれています。
開発に際してOPPOは、今あるベストなスマホから見習うべきところはすべて拝借してきた印象ですね。アクションボタンも自分好みにプログラムできるし(初期設定では写真撮影)、ColorOS 15のUIはiPhoneに瓜ふたつで、iPhoneとのファイル転送もワンタップです。
iPhoneの影響を抜きに評価しても、OPPO Find 8X Proはいいスマホです。ほかのフラグシップスマホに少し飽きてきた人にはいい気分転換。
Oppo Find 8X Pro
◾️これは何? iPhoneのいいところ全部盛りのAndroidスマホ
◾️価格 1,049 UKポンド(約20万1600円)
◾️好きなところ
・スリーク&耐久性抜群なデザイン
・すんばらしい処理性能
・美しすぎる画面
・長いバッテリー持ち
・立派なカメラ
◾️好きじゃないところ
・輝度最大にすると色がやや見えづらくなる
・やや既視感あり
パールっぽい外装がかわいい
仕事で毎日いろんなスマホを触るけど、ここまで真珠っぽいのは初めて。もうそれだけで好き。パールホワイトの背面はシルクのように滑らかで、ちょっと光が当たるだけでキラキラするんです。これはホワイトですが、iPhoneみたいなスペースブラックも選べます。
背面には円型のシルバーメタルの4眼カメラモジュールがあって、その左上コーナーに大きなフラッシュ、下には「oppo」のロゴ。
前面はエッジまで広がるInfinity Viewディスプレイ。フロントカメラは画面トップに32MP。指紋認証はボトム。
サイドはシルバーメタルで、上のほうにグレイのストライプが1本。右にはボリューム、電源、クイックボタン、左にはアラートスライダー。クイックボタンはiPhone 16でいうアクションボタン。基本設定では押すとカメラのシャッターが切れるようになっていますけど、自分で好みの設定に変えられます。
ボトムにはUSB-C充電ポートとmicroSIM用スロット。
ガラスはキズや割れに強いCorning(コーニング)のGorillaガラスを採用しました。さらにIP68とIP69の防塵性能を備えるなど、耐久性にはかなり力を入れています。防水性能は水深1.5mで30分使用可能とのこと。
重さ215g、6.4×3×0.33インチ(162.27×76.67×8.34mm)。Google Pixel 9 Pro XL(221g、 6.4×3×0.3インチ)、 iPhone 16 Pro Max(224g、6.4×3.1×0.32インチ)、Samsung Galaxy S24 Ultra(233g、6.4×3.1×0.33インチ)より軽めです。
明るくて見やすい画面
画面はなにしろ明るいです。6.78インチ、2780×1264ピクセルのOLEDでほぼベゼルレス。「Infinity View」って呼び名がついてます。
『ダンダダン』とか『Found』観てるときも、『Dead Cells 』とか『Alien Isolation』プレイしてるときも、光は輝くようだし、黒はインクのような漆黒。ディテールがシャープでとても見応えあります。
初期設定が気に入らなければ、ディスプレイの設定でモードを切り替えてもいいし、色温度を変えることもできます。まあ欲を言えば、解像度はもうひと声欲しかったかな。曲がりなりにもフラグシップスマホなのだから。
輝度は最低800ニト、最高でなんと4500ニトもいっちゃってます。さすがにMAXまで上げると、カラーや黒が薄れてしまうし、グレイに見えちゃうシーンもありました。
1~120Hzの可変リフレッシュレート採用。ゲームのときは勝手に高リフレッシュレートになって、ネットサーフィンや文字読むときには低リフレッシュレートで電力セーブしてくれます。
iPhoneとの連携も得意
OPPOのスマホはこれが初めてなので、ColorOS触るのも初めて。使ってみた感じでは好印象です。
ColorOS 15はAndroid 15がベースのUIで、そこにAIの要素を織り交ぜて、iPhoneとのファイル共有の操作をしやすくしたのが特長です。過去バージョンに比べ、今回はLuminous Rendering Engineを採用したおかげで、800以上のアニメーションが加わり、タッチの反応も18%高速になりました。通知やステータスバーまで思いのままにカスタマイズできるのも違いですね。
アイコンとウィジェットはiPhone風。
ColorOS 15のナビゲーションは、一般のAndroidとあまり違いません。とてもスムーズで、Androidファンとしては、慣れた操作で進めるので気楽でした。
AI機能は「Oppo AI」というところにまとまってます。仕事で使えるAI、写真編集のAIはもちろん、通知やメールを読み上げてくれる「AI Speak」もあるし、ハイライトした文章をサマってくれる「AI Summary」、文体に合わせて文章を磨く「AI Writer」なんてのまで揃ってます。
サマリーといえば、録音アプリでは文字起こし+要約までできちゃう。文書アプリのDocumentも7カ国語で要約してくれるし、メモアプリのNotesも要約機能付きです。
写真編集ツールはAI系で、低解像度の写真は「AI Clarity Enhance」で高解像度に補正できるし、髪の毛や肌のぼやけたところは「AI Unblur」でクッキリにできます。変な光の照り返しは「AI Reflection Remover」で除去できるという具合。特に「AI Studio」では、AIアバターを作れるのが面白くて、すぐハマりました。
Find 8X ProはiPhoneとの互換性もばっちりです。OPPOのO+ Connectアプリを入れたiPhoneとなら、ファイル転送も「Touch to Share(タッチでシェア)」で一発だし。
高速処理で過熱もなし
SoCはMediaTekの3nm最強プロセッサー「Dimensity 9400」。Find 8X Proはこれを搭載した初のスマートフォンです。
Dimensity 9400を駆動するのは「Trinity Engine」という、スマホの処理性能と省電性能を高めるよう設計された独自のシステムアーキテクチャ。
Find 8X Proには、さらにグラファイトのレイヤーとサーマルジェルの蒸気室もあって、放熱性能もばっちりです。部品をひんやり保ち、処理性能を最大限引き出してくれます。
テストでは結構荒っぽく使いました。Chromeブラウザでタブを50個以上開いて、アプリ(Adobe Photoshop Express、Netflix、G-Suiteなど)をたくさん同時に使ってみたんですけど、失速ゼロ。 ページの移動も、アプリの切り替えも、アニメーションもスムーズそのものです。ゲームの『Dead Cells』を丸1時間プレイしてもビクともしなくて、これといった過熱もなし。
ほかのスマホと比べてどうかなと思ってGeekbench 6で処理性能を計測してみたら、なんとシングルコアで2,818、マルチコアで8,434という高スコア。これならPixel 9 Pro XL(シングル1,920、マルチ4,208)には余裕で楽勝だし、iPhone 16 Pro Max(シングル2,975、マルチ7,438)にも負けていません。ここまでiPhoneと互角のスマホはひさびさに見ました。
ハッセルブラッド製カメラは強力
カメラは4眼。品質に定評のあるスウェーデンのハッセルブラッドのカメラとレンズを使ってます。望遠レンズは2つで、「デュアルペリスコープ望遠カメラ搭載の世界初のスマホ」なのがOPPOのセールスポイント。
背面は4つとも50MPで、メインカメラが1/1.4インチ&ƒ/1.6、望遠レンズの片方はƒ/2.6&3倍光学ズーム、もう片方はƒ/4&6倍光学ズーム、超広角レンズはƒ/2.0という構成。フロントカメラは32MP&ƒ/2.4。
割とキレイに撮れるので、早くPixel 9 Pro XL、iPhone 16 Pro Maxと写真対決してみたい!です。
特にオッと思ったのがスズメバチの巣。3倍ズームなのに、木の実、巣の筋目までクッキリ。%!(EXTRA string= )%!(EXTRA string= )
ワンコもかわいく撮れました。激しい動きなのにブレとかなくて、ズームインするとナターシャちゃん(左)の目の色、毛のしましままでわかるのスゴイ。
デジタルズームに至っては120倍で、高価なSamsung Galaxy S24 Ultra(100倍)にも勝る高性能です。もっとも最大ズームまで拡大するとブレブレになるのはOPPOも同じなので、Find 8X Proは「AI望遠ズーム」を導入したみたい。まあそれでもコレ↓が限界だけど、ビルの輪郭はわかりますよね。
フロントカメラも悪くなくて、彼の写真もこの通り。1本1本のヒゲ、懐中時計の精緻なエッチングまで撮れてて、温かみのある肌とオリーブ色のシャツのバランスがちょうどいい感じ。
バッテリー性能も問題なし
米Gizmodo基準のバッテリーテスト(画面の輝度を50%に設定して、YouTubeを24時間連続再生)で、Find 8X Proはバッテリーが19時間42分持ちました。
もっとも電池持ちは使い方次第なところもあるので、いろんな使い方を混ぜての計測もやってみましたよ。『Dune: Legacy』最新エピソードを観て、Spotifyで楽曲ストリーミングして、『Streets of Rage 4』のゲームやって、SMS、通話もして 12時間29分という結果。
充電は80Wの有線急速充電か、50Wのワイヤレス充電で、ワイヤレス充電器は別売です。
Find 8X Proは買い?
OPPOのスマホは初めて手にしましたが、Find 8X Proはどこをとっても非の打ちどころがありません。
ひと目でOPPOってわかるユニークなデザイン、鮮明ディスプレイ、本格派のカメラ。ColorOSのUIはAndroidのソフトウェアなのに、機能的には今のiPhoneにすごく近くて、iPhoneとのファイル転送までストレスなくできるし、仕事や写真編集のAI機能も充実しています。なんといっても処理性能でiPhone 16 Pro Maxを凌ぐ稀有なスマホで、バッテリー駆動時間も申し分ありません。
まあ機能やUIがiPhoneに似すぎていて、これじゃあまるで派生作品じゃないかーって思っちゃうのが玉にキズ。ついでにいうと、フラッグシップを標榜するなら、画面も価格に見合う高画質なものを用意してほしかったし、4500ニトという超絶明るい輝度は、過ぎたるは及ばざるがごとしで、明るすぎてカラーが飛んでしまったりします。
そんな細かい点はあるけど、爆速処理性能と美ディスプレイを備えたiPhone的なAndroidのフラグシップスマホが欲しい人はOPPO Find 8X Pro。飛びついちゃうでしょうね。