ウッカリ騙されるところでした。
ラスヴェガスで開催中のテクノロジー見本市「CES 2025」の真っ最中に、いかにもソレっぽいフェイク・デバイスが登場しました。
タマゴ型の家庭用原子炉
「The Enron Egg 」は、耐熱性のタマゴ型ケースに入った小型の原子炉。
ちゃんと公式サイトやSNSアカウントも複数作られ、もっともらしい説明文や図解などでまともな作り。発表会までちゃんとしています。
Meet The Enron Egg, the world’s first at-home nuclear reactor. Watch the historic reveal. pic.twitter.com/VUHbuuBwjA
— Enron (@Enron) January 6, 2025
家庭用原子炉なんてまさかねぇ?と思いつつも、どれもソレっぽいので信じてしまいます。
作ったのはあの会社(という体)
製造と発表を行なった(という体)のは、2001年12月に不正取引による粉飾決算で破綻した、エネルギー会社ENRON(エンロン)。 当時は「エンロン・ショック」としてニュースになった会社です。
が、実は嘘。MashableもForbesも、USA TODAYも、各メディアいわく「The Enron Egg 」はパロディーで作られたフェイクだと伝えています。
実はパフォーマンス・アート
一連のアート作品を作ったのは、「Birds Aren’t Real」という団体のコナー・ゲイドス氏。彼は2020年に、エンロンの商標をたったの275ドル(約4万3600円)で購入したんですって。
見付けにくい場所に書かれていますが、サイトの利用規約のページの概要にはこうあります。
このウェブサイトの情報は、アメリカ合衆国憲法修正第1条で保護されたパロディーかつパフォーマンス・アートによるもので、エンターテイメントの目的に限ります
なおアメリカ合衆国憲法修正第1条は「表現の自由」に関する法律となっています。
エンロンの商標そんな安値で買えるのも驚きですが、ここまで巧妙なパフォーマンス・アートを作る熱意にもビックリです。
Source: X, Instagram, ENRON CORPORATION via Mashable, Forbes, USA TODAY
Reference: Wikipedia