反発がエグそう。
地球平面説を証明するために陰謀論者のみなさんが南極を訪れたところ、残念ながらもくろみ通りにはいかず、科学者的知見や、写真やビデオですでに証明されているように、地球は丸かったことを思い知らされちゃったみたいですよ。
地球が平面かどうかを検証するために南極へ
コロラド州デンバー郊外にある小さな教会の牧師Will Duffy氏が南極探検を企画しました。
「ザ・ファイナル・エクスペリメント」と名付けられた探検の公式ウェブサイトによると、この旅には地球平面説と地球球体説を唱えるそれぞれの立場のメンバーが24人ずつ参加するとされています。
その目的は地球平面説(地球は球ではなく平ら)を証明すること。「南極に24時間太陽が出ているかどうか」を検証し、もしも南極の太陽が沈まない=地球は丸いという証明になるといいます。
平らか丸いかの決め手は、白夜
探検サイトには、企画について次のように記載されています。
「ザ・ファイナル・エクスペリメントは、地球の形に関する議論に決着をつける試みです。地球平面論者も、地球球体論者も、南極に24時間太陽が出ているかどうか(白夜になるかどうか)で、地球が平らか丸いかが決まるという条件に同意しています。」
白夜は、地球の自転軸の傾きと、太陽光線に対する北極圏の位置関係によって生じる現象です(地球平面論者が、どうして太陽が沈むか沈まないかが自分たちの信念を証明または否定すると考えたのかは不明ですが)。
そもそも、地球が平らなのだとしたら、昼と夜の概念をどう説明するんでしょう?
暗くなってる間、太陽は何をしてるの?
地球の下に隠れてるんでしょうか?
この陰謀論に詳しいわけじゃありませんけど、太陽の変動が地球平面論者の信念にどんな影響を与えるのか、まったくもって理解不能です。
地球は丸かった
何はともあれ、南極に到着した探検隊は、意外でも何でもなく、普通に太陽が24時間出ているのを確認したそうです。
参考までに海上自衛隊横須賀地方隊がXで公開している南極の白夜=沈まない太陽の写真を載せておきます(本件とは直接関係ありません)。こんな風に頭上をぐるぐる回る太陽を見てしまったんでしょうか。
おはようございます😆
南極で撮影された沈まない太陽です🌞
神秘的ですね✨
暗い夜が来ないってどんな感じなんだろう❓#海上自衛隊#南極#白夜#太陽のタッチアンドゴーpic.twitter.com/tIJ5RVQYzW— 横須賀地方総監部【公式】 (@jmsdf_yrh) January 27, 2022
この結果について、地球平面説を唱えるインフルエンサーであるJeran Campanella氏は、Duffy氏が南極到着後に公開した動画の中で、次のように話しています。
「生きていれば、時に間違えることもあります。白夜はないと思っていました。それもかなりな強さで確信していました。」
地球平面説運動には、宗教的な背景(聖書では地球は平らとされています)があるといいます。一部の信者が反科学になるのはそのためです。近年の例では、Candace Owens氏 やTucker Carlson氏などの右派パーソナリティーが地球平面説を支持しています。この説が保守的で宗教的な聴衆にアピールするからだと思われます。
実際のところ、右派ポッドキャスターのOwens氏は今回の南極探検にも関わっているようです。Duffy氏は、動画の中でOwen氏が探検のアイデアに「とても興奮している」と話していたとし、Owens氏のディレクターであるMark Herman氏が探検隊に同行していたことが明かされています。別の動画で、Herman氏は探検の結果をOwens氏の聴衆に報告すると述べています。
Owens氏は、地球平面説について、過去に次のような話をしています。
「私は、地球平面論者でも、地球球体論者でもありません。私は、科学崇拝から抜け出したんです。」
信じたいものを信じるために情報を集める陰謀論者が多い中で、南極に足を運んで、仮説を自分たちの目で検証して、その結果を事実として認識した地球平面論者のみなさんは、とても科学的だと思います。
Reference: 海上自衛隊横須賀地方隊