もし、もーしあなたの親や知り合いが「Facebookでジョニー・デップから連絡が来た」と話していたら、それ、すぐ詐欺だって教えてあげてください。
有名人をかたったなりすまし詐欺が、近年、中高年をターゲットに増加しています。その中でも偽物が多いのが俳優のジョニー・デップさん。世界中で知らない人はいないセレブであり、キャリアも長いことから、中高年層の知名度・人気が高いです。が、その人気は詐欺師の間でも高い…。
偽物が多いセレブTOP10
McAfeeのレポートで、ディープフェイク動画などを使ったものも含め偽物が詐欺で利用される著名人が公開されています。以下、TOP10。
1位:スカーレット・ヨハンソン
2位:カイリー・ジェンナー
3位:テイラー・スウィフト
4位:アニャ・テイラー=ジョイ
5位:トム・ハンクス
6位:サブリナ・カーペンター
7位:シドニー・スウィーニー
8位:ブレイク・ライヴリー
9位:ジョニー・デップ
10位:アディソン・レイ
偽ジョニー・デップの手口
情報公開法の下、米Gizmodoが米連邦取引委員会(FTC)に、ここ1年での偽ジョニー・デップ詐欺被害の報告情報の開示を求めたところ、その件数は197件にもなりました。
アメリカ国内だけで、ざっくり2日1回は誰かが偽ジョニー・デップに騙されているということ。いや、あくまでも詐欺報告の数なので、報告していない人・詐欺だとまだ気づいていない人も含めればもっとです。
偽ジョニー・デップに限ったことではありませんが、なりすまし詐欺で多いのはこの手口。まず、FacebookなどSNS経由でメッセージが届き、その後、匿名性と暗号精度の高いTelegramなどのメッセアプリでやりとりを継続。最終的には、なんだかんだと理由をつけて金銭を要求します。銀行振込、仮想通貨、ギフトカードなど、金銭受け渡しの方法はさまざま。
以下、実際にFTCに寄せられた偽ジョニーデップ被害の報告の一部です。
税金払うの手伝ってくれ
被害額:10万ドル(約1500万円)
被害者の年齢:70代
ジョニー・デップのマネージャーと名乗る人物から最初に連絡があり、その後ジョニー・デップ本人と連絡を取るようになる。Facebookのメッセージから始まり、Telegramへと移行。国税に税金を払わないといけないから援助が必要という相談で、10万ドルを電信送金。
結婚しよう(ロマンス詐欺)
被害額:8万ドル(約1200万円)
被害者の年齢:60代
2年ほど前に、Facebookでジョニー・デップと名乗る人物から連絡があり、やりとりを続ける。結婚の約束をした上で、お金を貸してほしいと頼まれる。最初の連絡から2年の間に8万ドルを送金。
慈善事業の資金が必要
被害額:2万ドル(約300万円)
被害者の年齢:60代
ジョニー・デップが恵まれない子どもたちのためにチャリティーをするので、募金してほしいとジョニー・デップのマネージャーと名乗る人物から連絡があったのがはじまり。Appleギフトカードや、ビットコイン購入資金として金銭を渡す。
チャリティーのためと、病院を訪れているジョニー・デップの写真(合成の偽物)が送られてきたことも。その後、ジョニー・デップが怪我をした(強盗か事故?)と、さらに送金を要求された。
偽物とわかっても送金を続けた
被害額:2万ドル(約300万円)
被害者の年齢:60代
ジョニー・デップと名乗る人物から連絡があり、やりとりがスタート。その後、実は自分はジョニー・デップではなく偽物だと犯人が告白。しかし、その頃には2人に関係性が出来上がっており、お互いの話をしているうちに、「母親が病気で金がいる」「何も食べていない」「ペットの薬代が足りない」などど同情をひいて、金銭を引き出す。被害者にはアルツハイマーの初期症状があり、やりとりの中で犯人がこれに気づいていた可能性も。
現実では著名人から連絡はこない!
TOP10入りはしていないものの、イーロン・マスク氏もなりすまし詐欺が多い人の1人。偽マスク氏の場合、仮想通貨への投資、新規事業への資金提供呼びかけ、Teslaの予約購入など、ありそうな詐欺エピソードが並びます。
仮想通貨、Appleカードなどの購入、送金など、いろいろな手口がありますが、まずこれだけは覚えておきましょう。
ジョニー・デップもマスクもスカヨハも、著名人から連絡が来ることはリアルにありません!
Source: Gizmodo US