AIが乳がん検出で大活躍。マンモグラフィのAI診断でガン発見率が2割UP

もし、健康診断でAIの有料オプションがあったら。つけますか?

乳がん検出でAIが活躍

北米放射線学会(RSNA)が年次総会を実施。その中で、医療分野でのAIの活躍が発表されました。RSNAの報告によれば、乳がんのスクリーニング検査において、AIの有料オプションをつけた女性の方が、がん検出率が21%高かったことがわかりました。

調査対象は乳がん検出のマンモグラフィ検査。10箇所で行われ、自己負担で検査を受ける人々に、マンモグラフィにおいてFDA(アメリカ食品医薬品局)認証のAI強化型プログラムを有料で受けることができると案内しました。このオプションを選ぶと、乳腺専門医によるX線写真診断と、AIソフトウェアによる診断の両方が得られるというもの。専門医とAIソフトの診断が異なる場合は、2人目の専門医が診断するという流れになっています。

調査を牽引したDeepHealthのBryan Haslamによれば、今回の報告は、患者側が選択できるAI強化型検査プログラムとしては初。Haslam氏いわく、AI有料オプションを選ぶ人の割合は現在36%、かつどんどん増えてきているそう。その上で、オプションをつけた人のがん検出率も高い数字をキープできているのだとか。

再検査でも効果的

レポートでは、マンモグラフィ検査を受けた人は1年で74万7604人。うち、有料のAIオプションをつけた人の方が、そうでない人よりも43%、がん検出率が高いことが明かされています。冒頭で検出率21%とありますが、これは43%の内22%は、がんリスクの高い女性がオプションをつけたことによる影響。これを除いた21%の検出率は純粋にAIの力によるもの。

オプションをつけた女性の方が、再検査を必要とする割合が21%高く、またそ の際のがん陽性的中率も15%高いことがわかりました。つまり、AIオプションで再検査となった人は、その診断が適切(がんが見つかった)な確率も高かったということ。

今後は、ランダムかつ対象人数を増やした大規模調査を行ないたい考え。放射線科医の第2の目として、AIの活躍が期待されています。

Source: RSNA