「オアシス再結成」を祝うイベントが都内で開催中。写真とコラージュが写し出す彼らの姿

FUZE 2024年11月7日掲載の記事より転載

今年8月に突如、再結成を発表して世界中のファンを驚かせたオアシス。UKを代表するロックバンドである彼らのデビュー30周年を祝した2つの展覧会が都内で開催されている。

10月31日に神保町・New Galleryでスタートしたのは、1994年からオアシスを撮影してきた写真家のジル・ファーマノフスキーとコラージュアーティスト/グラフィックデザイナー河村康輔による企画展「Oasis Origin + Reconstruction」。ジルが撮影したオアシスのドキュメンタリー写真と、バンドのロゴやアルバムジャケット、ポートレート写真などを再構築した河村康輔によるコラージュ作品が展示されている。

ジル・ファーマノフスキー

展覧会に合わせて来日したジルは、オアシスのみならず数々の著名アーティストを撮影してきた人物。内覧会でお話を伺うと、初めてロックスターの写真を撮ったのは1967年とのこと。当時は13歳で、ファンクラブに入るほど大好きだったビートルズをアビーロード・スタジオの前で出待ちし、コダックのインスタマチックカメラでポール・マッカートニーを撮影したのだとか。

とはいえ、特に写真家を目指していたわけではなく、1970年代にロンドンのアートスクールでテキスタイルデザインを専攻していた際、カリキュラムの一環として写真の2週間集中コースを受講したことがすべての始まりだったそう。

あの時代は今ほど写真がアートとして捉えられていなかったので、あくまでも自分の作品を撮影できるようになるための授業で、プロが撮影や現像について教えてくれました。そのコースの最中に、なぜかレインボーシアターという劇場でアーティストを撮影する仕事を得たんです。写真を学んで2週間も経っておらず、私はひどいフォトグラファーだったのに(笑)。当時は18歳でした。私はカメラを手にした初日から写真に夢中になり、それは今も変わっていません。

河村康輔によるコラージュ作品

その後、ピンク・フロイド、スティーヴィー・ワンダー、ヴァン・モリソン、ビル・ウィザース、ザ・フー、ザ・クラッシュ、イギー・ポップなど、錚々たる面々と仕事をしてきた彼女は、1994年から撮影してきたオアシスについて次のように語ってくれた。

私は最初から彼らの音楽が大好きだったし、ノエルとリアムの兄弟と仕事をするのを本当に楽しんでいました。すでに兄弟だった2人が一緒にバンドを始めたわけですから、兄弟間の関係を撮影するのが非常に興味深かったんです。それに、特にノエルは記録することの必要性を理解してくれました。当時はすべてがものすごい速さで起こっていたので、もし写真が残っていなければ、ぼやけた記憶になっていたかもしれません。そういった意味でも価値のあるコレクションになったように思います。

2009年のバンドの解散については、「残念だったし悲しかったけれど、驚きはしなかった」と言い、「それより、再結成のほうがサプライズだったわ!」とのこと。

昨年の夏、ノエルに「もし再結成するなら、まず私に電話してね」と話したら、「心配しないで。君には俺が賭け屋でオアシスの再結成日に賭ける瞬間を撮ってもらうから」と言っていたんです(笑)。あの時点では、まだ再結成は決まっていなかったはず。もちろん、ノエルが最初に電話したのは私ではなかったけれど、再結成ライブの写真を撮れたらいいなと思っています。

(※この時の2人の会話は、「Oasis Origin + Reconstruction」会場内で上映されているショートフィルムで確認することができる)

そして11月1日には、「リヴ・フォーエバー:Oasis 30周年特別展」が六本木ミュージアムで開幕した。

入口では、特別展のキービジュアルを撮影したジルによるポートレートのゲートがお迎え。その先には、これまでに発表されたオリジナルアルバムごとに、オアシスの歴史を紹介した「ヒストリー・ウォール」が展示されており、収録曲の直筆の歌詞や来日時のスケジュール表などを通じて、バンドや作品の魅力をさらに深く知ることができる。

他にも、メンバー愛用の楽器、数々の音楽賞のトロフィー、当時のアイコニックなポスターや雑誌の表紙など、ファン注目の貴重なアイテムを見ることができるほか、作詞家・音楽プロデューサーのいしわたり淳治が、今回のために再対訳した名曲の歌詞も紹介されている。

会場では専用の自動再生楽曲アプリをモバイルにダウンロードすると、それぞれの時代の曲を聴きながらオアシスの音楽世界に没頭できるのでおすすめだ。また、会場内の特設エリアでは、過去のフジロックや1996年のネブワース公演などのライブ映像も楽しむことができる。

展示を堪能した後は、会場限定のグッズが買えるショップへ。パンフレットをはじめ、Tシャツやパーカ、トートバッグ、マグカップなど、オリジナルアイテムが多数用意されており、購入者を対象に、2025年にロンドンとマンチェスターで開催される再結成ライブのチケットが当たるキャンペーンも実施されている。

そして、会場を出る前に必ず立ち寄りたいのが記念写真の撮影コーナー。10年前に開催された『CHASING THE SUN: OASIS 1993 – 1997 #あなたにとってのオアシスとは』展でも話題を呼んだデビューアルバム『Definitely Maybe』のアートワーク再現部屋が再び登場しているほか、「Live Forever」のミュージックビデオのワンシーンが再現できるフォトブースも用意されている。

「Oasis Origin + Reconstruction」
開催期間:2024/10/31(木)~11/24(日)
会場:New Gallery (東京都千代田区神田神保町1-28-1 mirio神保町1階)開館時間:12:00 – 20:00
公式サイト:https://newgallery-tokyo.com/oasisoriginreconstruction

「リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展」
開催期間:2024/11/1(金)~11/23(土)
会場:六本木ミュージアム (東京都港区六本木5-6-20)開館時間:10:00~18:00(最終入場は閉館時間の30分前まで)
公式サイト:https://oasis-liveforever.jp/

Source: Oasis Origin + Reconstruction, リヴ・フォーエヴァー: Oasis 30周年特別展