災害が起こると湧いてくる陰謀論!
フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド。ハリケーン「ミルトン」の影響で先週9日の夜、営業を停止しました。そしてSNS上にはディズニーワールドが冠水している写真がアップされはじめました。
が実はこれ、AIがつくった偽物の画像です。
発信元はロシア
ロシアの国営メディアRIAは10日早朝、ディズニーワールドの画像3枚をTelegramに投稿。RIAのアカウントは「ソーシャルメディアユーザーが投稿した、ハリケーン・ミルトンの影響でフロリダのディズニーワールドが冠水している写真」と投稿しているのですが、AI生成のフェイク画像だと判明したんです。
では、どうやって画像が偽物だとわかったのか?
まず、建物を見てみると「ん?」という部分が出てきます。例えば、シンデレラ城の両側を本物の画像と比べてみましょう。偽の画像にある建物は、本物の画像には存在していません。
シンデレラ城もよく見ると偽物だとわかります。塔の上部をズームしてみてください。完全には描かれておらず、奇妙な角度になっている部分もあります。やはりAIで生成された画像であるのは間違いなさそう。
フェイクニュース常習犯がリツイート
しかし、このフェイク画像はすぐにXで拡散されることとなりました。拡散の理由は、イーロン・マスクがよくリツイートしているフェイクニュースの常習発信者マリオ・ナウファル氏がその画像を投稿したから。これまでにもナウファル氏はジミー・カーター元アメリカ合衆国大統領の死亡デマを煽り、それに乗っかった共和党上院議員たちによって拡散されたということも。ナウファル氏のディズニーの投稿は現在は削除されていますが、削除前にかなり拡散されてしまっていました。
ミームや冗談が伝わらない場合も
冗談で作成されたハリケーンのAI画像が、これまた別のロシアのニュース媒体Rubryka.comに登場。洪水の中、子供を運んでいる救命胴衣を着たプルート。
ロシアが本当だと思って流しているのか、フェイクニュースとわかって流しているのかはわからないのですが、この画像はもともとテーマパークにまつわる冗談を発信するXアカウントに載っていたもので、それを転載したようです。
それから、「フロリダがやっと晴れてきた。でもオーマイガー!」というこちらの投稿。
でもディズニーワールドを知っている人ピンとくると思うんですが、アトラクションのひとつ「ディズニー・タイフーン・ラグーン」なんですよ。
こちらもジョークとして投稿されたものですが、フェイク情報だと思う人もいるのでしょうか。
人身売買にも関連付けられちゃう
また別のXのアカウントでは、ディズニーワールドにハリケーン、それから児童人身売買を盛り込んだ陰謀論まで出てきてます。
その説というのが、ミッキーマウスの時計。
「ミッキーの腕を見てください。日付を示しているんじゃないでしょうか。10月9日。そう、ハリケーンがディズニーワールドを襲った日です。偶然なんかじゃありません。今、米軍が子供たちの人身売買やその他の恐ろしい犯罪に使用されていた地下トンネルを一掃しています」と…。
陰謀説は一旦さておき、大型ハリケーン「ミルトン」の被害は甚大で、700万人以上に避難命令が出るほどです。CNNによると少なくとも17人が死亡。ただし、今後この数字は増加すると予想されています。
ディズニーはすでに再開
ディズニーはウェブサイトで更新情報を掲載し、現在はすべてが再開されています。 「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートがハリケーンを乗り越えられたことに感謝しています。10月11日(金)現在にテーマパーク、ディズニー・スプリングス、そして他のエリアを再開するために、施設への影響を評価しているところです。このハリケーンの影響を受けたフロリダ州のみなさんに心を寄せています」とウェブサイトには書かれています。
まぁしかし、何をするにしてもソーシャルメディアで読んだ全てを信じないほうがいいですね。なんでもすぐ鵜呑みにせず自分で調べることが大切かと。