底に鉄鋲がぎっちり。古代ローマ軍、強さの秘訣は“サンダル”にあり?

世界最古のスパイク?

すべての道はローマに通ず。そんなことわざまで生まれるにいたった、巨大な古代ローマ帝国。その進んだ文明を示す発見が、このほどドイツのバイエルンで史跡保存を進めるBavarian State Office for Monument Preservation(BLfD)から公表されましたよ。

スパイクサンダルをX線解析

ドイツのバイエルンには、2000年前の古代ローマ軍の砦があったとされています。ローマ軍の征服以前は、ケルト人の栄えていた時代もあったよう。そんな地域の砦の遺跡から、サンダル底の破片とされるものが見つかったのですが、X線解析してみると、靴底にびっしりと鉄鋲がついていたことが明らかに!

Photo: Bavarian State Office for Monument Preservation and Marcus Regel/Mareg.net

もし再現するならば、こんなスパイクサンダルをローマ兵は足に履き、険しい山岳地帯への遠征もこなしていた様子がうかがえるみたいです。当初はサンダル底に、鎌の破片のようなものが刺さっているだけと考えられていたらしいのですが、ずいぶんと進んだ装備で、ローマ兵たちは身を固めていたことがわかりますね。

ローマ帝国の時代、こうした靴のようなものを、主にローマ兵たちが装着していました。しかしながら、ローマ人の衣服、生活様式や習慣は、バイエルンに伝わって、地元の人々も取り入れるようになっていきます。

BLfDのAmira Adaileh氏は、このように説明し、ローマ文化が北方の地にもたらされた経緯を語っています。ちなみに、発見されたスパイクサンダルは、紀元前60年~西暦130年くらいのものとの推定。当時の人々の暮らしぶりやローマ帝国の強さの秘密を知るうえでも、貴重な資料ですよね。

Source: BLfD(PDF