人間の秘密がここに?
オーストラリアに生息するカササギフエガラスは知能の高さで有名ですが、その賢さには差があり、群れの中で嫌がらせを受けている個体の方が頭がいいことが判明したそうです。IFLSが伝えました。
西オーストラリア大学のリジー・スピーチリー博士率いる研究チームは、オーストラリアのパース郊外に住む、6羽ほどの大人の個体で構成されたカササギフエガラスの群れを対象に、知能と社会的地位の関係を調査しました。
グループにおける地位と賢さには関連性あり
群れにおける個体の相互関係を観察した結果、虐げられている個体の方が知能と攻撃性が高く、他の個体に対して嫌がらせをする個体ほど知能テストの成績が悪かったそうです。
「嫌がらせをうけている個体は、資源を確保するために知恵が働くようになるのではないか」と研究者らは考えています。
しかし、虐げられていたから知能を発達させるのか、食べ物にありつけないから攻撃的になるのか、環境と能力の因果関係は見つかっていないそうです。
人間の知能が高い理由がわかるかも?
ちなみに、上記の研究はカササギフエガラスの生態を知るために行われているわけではなく、人間の知能が高い理由の解明につながる可能性があるからだとか。
過去の研究では、知能の高いメスのカササギフエガラスの方が、知能の低いメスのカササギフエガラスよりも、より多くのヒナを孵化させて成鳥まで育てる可能性が高いことがわかっています。
人間が比較的知能が高い生き物になったのは、群れの中で虐げられた個体の子孫だからという証拠はないものの、リスク回避できる個体が遺伝子を残せる可能性が高いというのは理にかなっているのかもしれません。
個人的には、攻撃的なカササギフエガラスの個体が群れの中でどうなっていくのか気になりました。立場が逆転したり、群れから追い出されたりして行動を省みるチャンスがあるのかな。
Source: IFLS