NASA探査機パーサヴィアランス、火星に大きいアレを描いてしまう

探査機がやらかしたのか。それとも見る人の心の問題か。

NASAの火星探査機パーサヴィアランス。今年初めにバディだった探査ヘリのインジェニュイティが運用終了となり、荒れているのかもしれません。寂しいのかもしれません。もしかして、そのせいで地球から見守るわれわれ人類に、ちょっとしたイタズラを仕掛けてきたのかな?。

今年1月21日から6月11日までに、パーサヴィアランスの動きをNASAが画像で公開。その画像がトップ画像です。

あれ?なんかアレに見えるような。ナニとは言いません。アレです。

偶然描かれたアレ

パーサヴィアランスが目指していたのは、「Bright Angel」と呼ばれる新たなエリア。このエリア、岩だらけの火星の中でも、その岩の色味が薄く、河川浸食などによって露出した可能性があるとのこと。無事今月9日に到着しており、パーサヴィアランスはこの地にて炭酸塩とカンラン石の堆積物の証拠を探します。

目的地だったBright Angel
Image: NASA / JPL-Caltech

ですが、Bright Angel到着は容易ではありませんでした。あまりに難解な地形で、大きな岩がゴロゴロしており、パーサヴィアランスの1日の移動距離は通常時の10分の1にまで減少。自動運転システムも、巨岩を前に止まってしまうことが多くなっていました。

そんな中、チームが偶然発見したショートカットを通って、Bright Angelまで無事辿り着けたのですが、まさかそのショートカットの軌跡がアレになるとはねぇ。

新たな視点も

アレを描いて茶目っけを発揮しただけでなく、道中「Mount Washburn」と呼ばれる丘を登り、今まで観察したことのなかった岩も発見。Mount Washburnの表面と組織の多様さは、研究チームにとって意味のある発見となりました。

Mount Washburnの岩
Image: NASA / JPL-Caltech / ASU / MSSS

思わぬショートカットが、ちょっとした小ネタと新たな科学的視点を提供することに。さすが、未知の世界の惑星探査。予期せぬことが起きるものですね。

惑星探査機はマシンながらもそれぞれにストーリーがあり、つい擬人化したくなります。今回は、パーサヴィアランスの「カン」が当たったのかもしれませんね。

Source: NASA