世界一高いビルの2倍の高さの海底山が見つかる

チリ沖の海底から新たに4つの海山が発見。

海洋調査船 RV Falkor(too)号が大活躍、2012年以来、9の海山、丘、および海溝を発見しています。

今回発見された海山の高さは5,220フィート(1,591m)から、なんと8,796フィート(2,681m)と推測。ちなみに、世界で最も高いビルであるドバイのブルジュ・ハリファはその半分の高さで、2,717フィート(828m)です。

ブルジュ・ハリファより遥かに高い海山が海底に存在するということ…。海って深い。

この海山は、海底地形データベースに含まれていなかったもので、海底の重力異常を研究する過程で偶然に見つかったものだそうです。シュミット海洋学院(Schmidt Ocean Institute)の海洋技術者であるジョン・フルマー氏は、以下のようにプレスリリースで述べています。

重力異常を調査するというのは、地図上の隆起を探すということですが、それを実施したところ、我々は、予定通りにチリでの今年初の科学探査に取組んでいる最中にこの大きな海山を発見しました。

地球を知るために、人類の歴史を知るために、海底調査は重要

海底の75%はまだマッピングされておらず、解明されるべきことはまだまだたくさんあります。海洋地図は、地球を理解し、ひいては(地球の)保全と持続可能なマネジメントを確実にするためにも非常に重要だと考えています。

と、10年後までに海底を完全にマッピングするすることを目指す「Seabed 2030」のプロジェクトディレクターのジェイミー・マクマイケル・フィリップス氏は語ります。

これまで、Falkor号とFalkor(too)号は、海底58万平方マイル(約150万平方km)をマッピングしてきました。

基本的には海の底の海山や海溝は、珊瑚、海綿、イソギンチャクなどの深海生物の住処となります。サンゴ礁はそれ自体が生物多様性のホットスポットとなります。これまで、Falkor(too)号は、海底山脈の熱水噴出孔の動画やシュールな深海生物の姿を撮影に成功しています。

また海底調査は、人類の歴史を解明することにも役立ちます。ビキニ環礁の核実験によってできた太平洋の海底のクレーターを示す衝撃的な地図が、2019年に別の研究チームによって明らかになりました。また、ペルー沖の海底は、20世紀半ばに行なわれた深海採掘から回復するには約50年かかることも示されています

地球を知り守るためにも、人類の歴史を知るためにも、海底調査は重要ですし、まだまだ未知が残る分野でもあるんですね。

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