なぜ!? OpenAIがサム・アルトマンCEOを電撃解任

クーデターなのか…?

ChatGPT開発元のOpenAIが現地時間金曜、サム・アルトマンCEOの解任を発表しました。暫定CEOに指名されたのはMira Murati CTOです。

先日のOpenAI主催DevDayで最新AIプロダクトの数々を発表したアルトマン氏だったのに、まさかこんなことになるとは…。

「率直ではなかった」ことが理由

会社の声明にはこうあります。

「役員会による詳細な内部調査の結果、アルトマン氏が役員会とのコミュニケーションで常に率直だったとは言えず、それが責務遂行能力の妨げになっていることがわかり、会社を去っていただくことになった」「役員会はもはや氏に今後もOpen AIの経営を委ねていいものか確信が持てない」

多大な貢献に感謝を述べながらも、経営継続にはトップ交代やむなしと判断したようです。具体的なことは何ひとつ書かれていませんが、 「率直でない」と書かれると、事業について何か役員会に嘘をついていたのかな…って思ってしまいますよね。

アルトマン氏本人の心境は?

いちおう当人はX(旧Twitter)上で次のように穏便に報告しているけど、異常な雲行きと言わざるをえません。

OpenAIで過ごした時間は本当に最高だった。自分も変わったし、世界を少しでも変える一助になったのではないだろうか。何よりも、あんな優秀な人たちと働けたことが最高だった

今後のことについては追ってくわしく、とのことです。

さらにこの日は共同創業者で会長兼プレジデントのGreg Brockman氏も会長職をいきなり解任となりました。

こちらはクビというわけではなく、Murati暫定CEOの部下に格下げになったのですが、このニュースが知れ渡るや否やBrockman氏は「こんな会社こっちから辞めたるわ」と全社員にメール。写しをX上に公表しています。ますますクーデターの匂い…。

ちなみに役員会の内訳はIlya Sutskever氏(OpenAIチーフサイエンティスト)、Adam D’Angelo氏(Quora CEO)、Tasha McCauley氏(テック起業家)、Helen Toner氏(Georgetown Center for Security and Emerging Technology戦略ディレクター)です。

AI業界の反応は?

業界の反応はというと、かなり蜂の巣を突いたような騒ぎになっています。

「真っ先に感じたのはショックと不安」だと語るのはAI系スタートアップのAgentOps共同創業者のAlex Reibman氏。氏は先週、Open AIのプラットフォーム向けにGPTを開発するハッカソンを主催したばかりだけにショックは隠しきれない様子です。「これだけ大きく重要な時代のうねりになったのはサム・アルトマンの尽力もある。今のテクノロジー業界のリーダーであれだけビジョナリーなマインドセットの人、そういないよ」と言ってました。

アルトマン氏がイーロン・マスク氏らと一緒にOpen AIを立ち上げたのは2015年。当初掲げた目標は「金銭的リターンを生み出すニーズに縛られることなく、全人類に資する可能性が最大になる方向でデジタル知能の開発を進めること」でした。

アルトマン体制のもとOpenAIはマイクロソフトと提携することで競合を出し抜き、 ChatGPTで生成型AIの可能性を世界に披露したわけですが、そんな時代の寵児がこんな突然に去ってしまうとは…いったい何があったのか…。

巨額投資でOpenAIを支えるマイクロソフトは役員会決議の直前まで解任のことを知らされていなかったという嘘のような話も囁かれているわけですが、米Gizmodoからの取材に対してスポークスマンは「OpenAIとは長期的パートナーシップの契約を結んでいる。今後もMira新CEOのチームにコミットして、次のAI新時代をお客様にお届けしていきたい」と語っています。内幕はいずれ明らかになっていくのではないでしょうか。

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