消費者団体が投げかける「Appleの環境対策ってどれだけ本気なの?」

Apple(アップル)は頑張ってるつもりだけど、批判が…。

前回の新製品イベントでは発表した製品を含め、環境問題に取り組んでいる姿勢を強く示していたApple。再生可能素材の利用、クリーン電力への置き換え、そして製品にはもうレザーは使わないなどを掲げています。

しかし、欧州の消費者団体である欧州消費者機構(BEUC)を含む複数の団体が、Appleがカーボンニュートラルを達成している企業であるとの主張に、「ちょっと待った」と疑問を投げかけています。

言葉で消費者を信じさせている?

イギリスのFinancial Times紙によると、欧州消費者機構のMonique Goyens事務総長は、この主張が「科学的に不正確で消費者を誤解させるもの」だと述べています。

EUの意思決定機関である欧州議会と理事会は、Appleの新製品発表会のすぐ後に、「環境に優しい」と「カーボンニュートラル」といった環境保護を意識した言葉を使ったマーケティングを禁止することで合意しました。

また、「製品が環境に対して中立的、減少的、または積極的な影響を持っている」というカーボンオフセット計画に基づく主張も禁止しています。この合意は今は確定していませんが、2026年までにこのように謳うマーケティングがなくなっていくことになります。

Appleは新しいApple Watch Series 9を、初の完全なるカーボンニュートラル製品だとしています。革製品からApple独自のリサイクル素材で作ったファインウーブンへの移行が理由の1つですが、Appleの環境保護に関する一番大きな部分としては、サプライヤーや運送会社に再生可能エネルギーへの移行を促している点だとしています。

また、Appleは2030年までに、すべての製品を完全にカーボンニュートラルにすると述べています。AppleはFinancial Times紙に対して、「地球規模の気候目標を達成するためには、早急な行動が必要であり、大規模な保全と二酸化炭素除去への投資が必要である」と答えています。

EUは「グリーンウォッシング」を禁止

9月に欧州消費者機構は、EUが環境に取り組む姿勢を見せながら、実は抜けがあったり上辺だけのものだったりする「グリーンウォッシング」を禁止したことを賞賛しています。

欧州消費者機構のUrsula Pachl副事務総長は、声明で「カーボンニュートラルにするという主張はグリーンウォッシングです。これは企業が気候への影響に真剣に取り組んでいる印象を与えるための手法です。こういった主張は科学的に正確ではなく、決して使用されるべきではありません」と厳しく非難しています

Appleは、自社製品がカーボンニュートラルであるという主張と、さらにパラグアイやブラジルなどに木を植えることによる炭素除去活動を積極的に推進していますが、専門家は定期的に木を植えることが気候変動を終わらせるわけではないと言います。

Appleはこの活動を「自然に基づく炭素除去」としていますが、気候団体はパラグアイのプロジェクトを、10年以内に木材用に切り倒されるユーカリの木で構成されているだけだと非難しています。

タイトルとURLをコピーしました