予想に反して Web3 のロイヤルティプログラムが好調【ファッションブリーフィング】

DIGIDAY

顧客のエンゲージメントと生涯価値を高めるために、ファッションブランドがロイヤルティプログラムをローンチするケースが増えている。その結果、いまや消費者は特典を提供するブランドに関してはさまざまな選択肢を持つようになり、個人的な価値を提供しないロイヤルティプログラムから退会する消費者も増えている。

これに対抗するため、ブランドは新興のWeb3コミュニティだけに提供するといった、これまで以上に革新的なロイヤルティプログラムを導入するようになっている。先月だけでも、ラコステ(Lacoste)のUNDW3 NFTカード、ディオール(Dior)のB33スニーカー、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のヴィア・トランク(Via Trunks)など、デジタル製品ベースのロイヤルティプログラムが市場に登場している。

NFT市場が冷え込む一方で、活況なイニシアチブ

ブランドロイヤルティで知られるWeb3コミュニティでは、特典や継続的なポイント収集の機会を提供することは、ブランドにとって価値ある投資である。NFT市場は大きく冷え込んでいるが、ラコステやアディダス(Adidas)のように、特にここ数年自分たちのコミュニティに力を入れているブランドでは、いくつかのイニシアチブが盛況となっている。アディダスの場合、Discord(ディスコード)のメンバーは3万1200人、Twitterのフォロワーは5万人だ。両ブランドともNFTコレクションは完売している。

アディダスは5月2日に発表された「コンファームド(Confirmed)」というアプリを通じて、Web3のオーディエンスのエンゲージメントを追跡している。これは認証プラットフォームのトークンプルーフ(Tokenproof)との提携で作成された。アプリのユーザーは、アディダスのWeb3プロジェクト「イントゥ・ザ・メタバース(Into the Metaverse )」からの最新のドロップを見たり、取引したりすることができる。これまでにスーパースター(Superstar)のスニーカーや、NFTプロジェクトのパートナーであるボアードエイプヨットクラブ(Bored Ape Yacht Club)、ジーマネー(Gmoney)、パンクスコミック(Punks Comic)とのコラボレーションによるパーカーなどが登場している。今後、アプリは会員限定のローンチやNFTとも連動していく予定だ。

ラコステにとって、6月29日にローンチされたWeb3ロイヤルティプログラムの焦点は継続的なエンゲージメントである。UNDW3(「アンダーウォーター」と発音する)NFTカードを通じて、ユーザーはデジタルウォレットをトークンゲートのあるブランド専用サイトに接続する。このサイトからユーザーはロックされたDiscordチャンネルに入り、製品を共同制作したり、イベントに参加したり、ブランドとそのクリエイティブスタジオにフィードバックを提供したりすることができる。共創とコミュニティエンゲージメントは、優れたWeb3ブランドプロジェクトの基盤となっている。

「これは、当社が構築したいと考えている報酬システムの基礎だ」とラコステの広報担当者は述べた。「将来的には、このリワードシステムにプラグインされる新しい機能を構築することが目的だ」。

ラコステのWeb3のロイヤルティプログラム

昨年、ラコステは大規模なWeb3コミュニティを構築した。2022年6月には、1万1212点のUNDW3 NFTジェネシスパスをローンチしている(それは現在では新たなオファーとともに新しいUNDW3カードに変換されている)。ジェネシスパスのフロア価格は0.05ETHで、現在は約96ドル(約1万3900円)である。このコレクションは完売し、専用のUNDW3 NFTカードはまだリリースされていない。ラコステのDiscordには現在5万人のメンバーがいる。熱心なユーザーは自発的に新しいメンバーの加入を手伝い、チャンネルをモデレーションしている。

ラコステはWeb3コミュニティを拡大するために、6月にラコステUNDW3のTwitterアカウントを立ち上げた。メインのラコステのTwitterアカウントには100万人のフォロワーがおり、新しいアカウントのフォロワー数は今のところ1500人だ。同ブランドによると、Discordのエンゲージメントの一部を、より広く使われているプラットフォームであるTwitterに移行することを目的としている。

UNDW3のサイトでは、ユーザーはクエストに参加して、その参加や勝利に応じてNFTカードをレベルアップさせることができる。「クリエイティブなコンテストも開催する予定だが、毎日おはようと挨拶したり、Discordでコミュニティとテーマについて議論したりするだけでもポイントがもらえる」と広報担当者は言う。「オンラインクイズに参加したり、代替現実ゲームをプレイしたりしても、ポイントがもらえる」。

ポイントによって、ユーザーはリーダーボードに登ることができる。年間トップ10に入ったユーザーには、パリ旅行、ラコステ工場見学、VIPショッピング体験など、ブランドからユニークな賞品が贈られる。このゲーミフィケーションとリワードシステムは、従来のロイヤルティプログラムよりも没入感のあるブランド体験で熱心な顧客に報酬を与えることで知られるWeb3のロイヤルティプログラムでは一般的なものだ。

さらに、ラコステはユーザーがNFTを未収のポイントとともに交換・売却することに積極的だ。この点はヴィア・トランクを譲渡不可としているルイ・ヴィトンとは異なっている。ラコステの広報担当者は、「顧客がエンゲージメントの所有権を取り戻せるようにするのがすべてだ」と語った。

将来的にはWeb3とWeb2の要素を結びつける計画

UNDW3プログラムとNFTの重要な要素は、ラコステに顧客データを収集する機会を提供し、将来の価値ある体験や報酬の開発に役立てることだ。

ラコステは、この種のプログラムにおけるゲーミング要素の一般的な採用率の低さを考慮し、例外となることを目指しており、ユニークな機会を報酬として提供することで、それを実現している。投資会社マグネティック(Magnetic)のWeb3投資担当マネージングディレクターであるミーガン・キャスパー氏は次のように語る。「Web3のロイヤルティプログラムやリワードプログラムは黎明期にあり、エンドユーザーのユーザビリティに関わる摩擦や、従来のWeb2プログラムに典型的なコンポーザビリティの欠如が原因でユーザーの採用率は低い。ソフトウェアの統合も、まだシームレスでもコンポーザブルでもない」。

将来的には、ラコステはWeb3とWeb2のロイヤルティプログラムの要素を結びつける計画だ。ラコステの主要なロイヤルティプログラムである「ル・クラブ・ラコステ(Le Club Lacoste)」の会員数は数百万人に上るが、広報担当者は具体的な数字の提示を避けた。その4段階のプログラムの特典には、誕生日プレゼント、ウェルカムギフト、プライベートセールなどがある。

ラコステは2022年3月に「ラコステ×マインクラフト(Minecraft)」のコラボレーションを通じてゲーミングの実験を行っている。来年には、Web3の要素にあまり依存せず、それでいて従来のユーザーをゲーミングを通じてデジタルの世界に引き込むようなゲーミングプロジェクトをローンチする計画だ。

「新しい顧客の募集はゲーミングとデジタルファッションからもたらされるだろう。どちらも当社が非常にわかりやすく使いやすくしながら、加速して探求したいと考えている分野だ」と同ブランドの広報担当者は述べた。「デジタルアイデンティティとデジタルファッションは、ここ数年で重要性を増しており、私たちはブランドとして、両者をさらに探求していきたいと考えている」。

[原文:Fashion Briefing: Against all odds, web3 loyalty programs are flourishing]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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