こんにちは、編集部 石川です。
隔週でお送りする「ベスト3を発表します」のコーナー。デイリーポータルZのライター陣に、何でもいいからベスト3を決めてもらうコーナーです。
今日はまいしろさん。「まったく実用できそうにない実用書」ベスト3を聞きました。
まいしろさんが選ぶ「まったく実用できそうにない実用書」おすすめベスト3
――実用できそうにない実用書というのはどういうことですか?
まいしろ:実用書として書かれているけど、自分の人生では全く実用の機会がなさそうな本です。
ふだんは「脂肪の歴史」「長襦袢の魅力」のような生活の役に立たない本が大好きなのですが、そういう本ばかり読んでいるとたまに「こんな本ばっかり読んでいていいのかな?」という気持ちになります。
そんなときに、一応は実用書であるこれらの本を読むと、葛藤を解決しつつ知的好奇心も満たしてくれます。
――ベスト3を選んだ基準は?
まいしろ:実用書として真剣にハウツーが書いてある本を選びました。
――では3位から、よろしくおねがいします!
【第3位】
Mad Science ―炎と煙と轟音の科学実験54
――どんな本ですか?
まいしろ:家でやるにはちょっと危ない科学実験のやり方を紹介している本です。大判カラーのリッチ仕様です。
――例えばどんな実験が紹介されていますか?
まいしろ:どこでも火が着くマッチを作る実験、液体窒素でアイスクリームを作る実験とかです。オレオクッキーを燃料にしたロケットなんかもあります。
――面白さのポイントは?
まいしろ:「ちょっと危ない」の基準が完全にずれていて、54個の実験のうち本当にできそうなものはゼロです。
「失敗すると死にます」とか気軽に書いてあるし、どこで売ってるのかわからないものばかり使っています。科学に親しんでもらうというコンセプトですが、読めば読むほど科学が遠ざかっていくところも芸術点が高くてかなりおすすめです。
――思わず距離を感じてしまうということですね。では次は2位お願いします!
【第2位】
Make Your Own Working Paper Clock
――これはペーパークラフト?
まいしろ:はい、紙でできた時計を作れる本です。手順に従ってこの本のページを切り貼りするだけで、本物の動く時計ができあがります。実用書というより本そのものが実用品です。
――これは普通に楽しそうじゃないですか?
まいしろ:コンセプトが最高だったので衝動買いしましたが、「まずはこのページから120個の目盛りがある歯車を2つ切り出しましょう!少しでもずれると動きません!」みたいな作業ばっかりだったので2ページ目で挫折しました。
――めちゃめちゃシビアですね。
まいしろ:海外の本なので、説明がぬけていたり(前のページのものが次のページで突然完成している)、山折り谷折りのマークがわからなかったり(—-が山折り、-+-+-が谷折りらしい)、そもそも全部英語だったり、作る以前の問題もたくさんあります。
でも買ったときのワクワク感が群を抜いてます。Amazonレビューも誰ひとり完成してないのに全員楽しそうです。ぜひこの記事を読んでいるあなたも、この本で挫折を味わってみませんか。
――では次はいよいよ1位お願いします!