イーロン・マスク氏が、Twitter買収時にTwitter側の代理人を務めたアメリカの法律事務所「Wachtell, Lipton, Rosen&Katz」に対して、Twitterが支払った報酬9000万ドル(約128億円)の返還を求めて提訴しました。マスク氏側は「Wachtell, Lipton, Rosen&KatzがTwitterに請求した報酬はあまりにも高額すぎる」と主張しています。
Wachtell brags about how many former Delaware judges work at their firm. They specialize in institutionalized corruption.
— Elon Musk (@elonmusk)
Musk sues law firm because he’s mad that Twitter paid $90 million bill | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/07/musk-sues-law-firm-because-hes-mad-that-twitter-paid-90-million-bill/
Elon Musk’s Twitter sues top law firm Wachtell over $90 million fee
https://www.cnbc.com/2023/07/07/elon-musks-twitter-sues-top-law-firm-wachtell-over-90-million-fee-.html
マスク氏は2022年4月5日にTwitterの株式を9.2%購入して筆頭株主になり、さらに合計440億ドル(約6兆2700億円)で残りの株式を買収することを提案しました。Twitterは同月26日にこの提案に合意しています。
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しかし、同年5月13日にマスク氏は「『スパムや偽アカウントがユーザーの5%未満である』というTwitterの試算を裏付けるデータが出てくるまで、Twitterの買収を一時的に保留にします」とツイートし、事実が明らかになるまでTwitterの買収を保留すると発表。7月8日に「Twitterが買収契約で重大な違反を犯し、誤解を招くような虚偽の発言を行ったため、Twitterの買収をとりやめる」と発表しました。
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これに対して、Twitter側は「買収する合意を果たさないのは契約違反である」として、マスクを起訴しました。
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このTwitterとの裁判で負ける可能性が高くなったマスク氏は、敗訴を避けるために「やはりTwitterを買収する」ことを明らかにしました。
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マスク氏がTwitterの買収を取りやめると発表した時に、Twitter側に立って訴訟準備を進めたのがWachtell, Lipton, Rosen&Katzでした。Wachtell, Lipton, Rosen&Katzは2022年7月から10月27日までTwitterと契約しており、その報酬として9000万ドルを請求。このうち8430万ドル(約120億円)は、マスク氏によるTwitterの買収が完了した日に支払われたとのこと。
この8430万ドルの大部分は、一度は買収をやめると発表したマスク氏に再度買収取引を進めさせたことに対する成功報酬だったとのこと。マスク氏側は、8430万ドルのうちどれだけが成功報酬かは不明としながら、他の請求書や未払いの手数料から、成功報酬は6100万ドル(約87億円)~7200万ドル(約103億円)だったとみています。
今回の訴訟でマスク氏側は、「Twitterの財務状況に利害関係を持つ者が誰も店番をしていないことを承知したWachtell, Lipton, Rosen&Katzが、Twitterの鍵をマスク氏に渡している間に、会社のレジから得た金で事実上私服を肥やそうとした」と主張。さらにマスク氏側は「Wachtell, Lipton, Rosen&Katzが報酬に関する手数料で書面による合意を得ていなかった」ことの証拠として、Twitterの元法務顧問であったショーン・エジット氏がWachtell, Lipton, Rosen&Katzへの報酬を当時のTwitter取締役会に請求したメールの文面を提出しました。このメールの返信では、取締役会のメンバーが報酬額を見て「なんてこった、どうかしている」と叫んでいたとのこと。
マスク氏側は、Wachtell, Lipton, Rosen&Katzを不当利得、受託者義務違反、受託者義務違反ほう助および教唆、カリフォルニア州のビジネス・職業法違反の罪で告発し、報酬として支払われた9000万ドルを賠償として支払うべきだとしています。
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