早いものでもう7月。日本列島はいよいよ夏本番を迎えようとしている……が、どうも何かが足りない。俺たちの心(ハート)を灼熱の太陽のように熱くしてくれる何かが。そう、俺たちには今、圧倒的に「かつや」の本気が足りないのだ。
生粋の “かつや者” ならば、俺たちの「かつや」が完全なる本気を出す日を今や遅しと待ち続けていることだろう。無論、私(あひるねこ)もその一人なのだが、今日はそんな諸君らに朗報がある。来たる2023年7月7日、ついに「かつや」が本気すぎる新商品を発売することが分かったのだ。
その新商品の名は……聞いて恐れおののけ、『とんこつチキンカツ丼』(税込869円)である! まいったな、この時点で本気で頭がおかしい予感しかしないぞ。
・かつや新商品
私が観測した限り、「かつや」が最後に本気を出したのは昨年9月の『カツ煮冷やしそば』の時だった。冷たい蕎麦(そば)の上に熱々のカツ煮をのせるという無意味な超絶アクロバットには大変驚かされたが、今回の新メニューは、あの怪作をも凌ぐ超ド変態と言っていいだろう。
まず何と言っても、ほぼラーメンにしか見えない。ラーメンっぽいとかそんな生易しいものではなく、もはやラーメンじゃないと許されないような奇奇怪怪なヴィジュアルに仕上がっているのだ。こちらのイメージ画像をご覧あれ。
・9割9分ラーメン
チャーシュー、海苔、メンマに紅生姜、もやし、ナルトなどなど、ラーメンと聞いてイメージする具材が丼の上に大集結しているのがお分かりいただけるはず。もちろん主役はチキンカツであるが、ここまで米の気配がしない丼も珍しいのではないか。もう麺が下で待っている未来しか想像できないぞ。
・前科アリ
実は「かつや」は過去に『ラーメンコロッケ』という、これまた珍妙な商品を発売した前科があるのだが、今にして思えばアレはだいぶコロッケだった。コロッケであろうとする「かつや」なりの自制心が感じられた。それに対し、この『とんこつチキンカツ丼』はどうだろう?
チャーシューのデカさといい、海苔のポジショニングといい、ナルトの自己主張の激しさといい、あまりにもラーメンへの擬態化に本気を出しすぎている。しかも今回、チャーシューを増量した『チャーシュー増し とんこつチキンカツ丼』(税込1089円)なんていうメニューまで同時に発売されるそうだ。
何やらここにチキンカツが参列していること自体が逆に不自然に思えてくるではないか。想像を絶するような極限的アウェイ……チキンカツ不憫すぎるだろ! 一応主役やぞ!!
・ラーメン王になろうとするな
「かつや」よ、たしかに私は本気を出せと言った。が、ラーメンとして生きることに本気を出せとは一言も言っていない。どうしてお前はいつもあさっての方向に舵を取ってしまうんだ? 偉大なる航路(グランドライン)を航海しているのか? 社長がルフィなのか?
当の「かつや」はこの『とんこつチキンカツ丼』について……
「思わずクスっと楽しい気持ちで過ごしていただきたいと考え誕生した新メニューです」
と無邪気に語っているが、まったく笑いごとじゃないだろう。さすがの私も今回ばかりは壮絶なる死闘を覚悟せざるを得ない。それほどまでに『とんこつチキンカツ丼』の実力は未知数であり、故に不気味なのだ。
・詳細は明日
所在なさげに佇むチキンカツには、濃厚豚骨タレなる調味料がかかっているとのこと。明日7月7日はそのあたりも含め、この変態カツ丼の全貌を探ってくるつもりである。決着がつき次第、執筆に取り掛かるので、“かつや者” の皆さんは忘れずにチェックしていただきたい。それではまた明日。
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