株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は6月21日、ISPやCATV事業者向けにキャッシュDNSサーバーの機能をOEMとして提供する「IIJ xSPプラットフォームサービス/キャッシュDNS」を開始した。
IIJは、ISPやCATV事業者に対して、フレッツ接続、権威DNSサーバー、メールサーバー、ウェブサーバーをOEMで提供している。今回、これにキャッシュDNSサーバーが加わることで、インターネット接続事業者に必要な主な機能は全て提供できるようになった。
「IIJ xSPプラットフォームサービス/キャッシュDNS」では、通常のDNSのほかに、DNSの通信をHTTPSで行う「DNS over HTTPS」にも対応。DNSへの問い合わせの通信が暗号化されるため、プライバシーの保護につながるとしている。
また、CDN(Content Delivery Network)を考慮した「EDNS Client Subnet」にも対応している。キャッシュDNSサーバーとエンドユーザーのIPアドレスの運営組織が異なる場合、CDNからのコンテンツの配信が最適な経路で行われていない可能性がある。この課題を解決するのがEDNS Client Subnetだ。キャッシュDNSサーバーが、CDN事業者にエンドユーザーのIPアドレスの所属を伝えることで、最適な経路で配信ができる。
そのほかには、災害の対策としてネットワーク機器は、IIJ東日本とIIJ西日本にそれぞれ設置。また、DNSSEC検証、児童ポルノブロッキング(インターネットコンテンツセーフティ協会への加入が必要)、マルウェアフィルタリングに対応している。
IIJによると、インターネット接続事業者ではサービスを運用するエンジニアが不足しているという。さらにキャッシュDNSサーバーの管理は専門性が求められるうえに、ソフトウェアの脆弱性の対応など業務の負担は軽視できないほどだ。そのため、IIJがキャッシュDNSサーバーを提供することで、運用の負荷が軽減できるとしている。