まとわりつくような湿度と、スッキリしない陽気。今年ももう間もなく夏本番がやってくる。かき氷・そうめん・冷し中華……などの “夏グルメ” が活躍する時期であるが、その王はなんと言っても「うなぎ」であろう。
最近ではうなぎを提供する飲食チェーン店は非常に多く「本当に絶滅危惧種なの?」と思わなくも無いが、それはイイ。この記事では2023年6月27日から発売開始となった『松屋のうなぎ』についてお知らせしよう。今年の松屋のうなぎはいい……かもしれない。
・大胆不敵
メチャメチャ有名な豆知識であるが「土用の丑の日」に食べるのは “う” が付く料理なら何を食べてもいいんだとか。つまり「うどん」「梅干し」「ウィンナー」であろうと、「うの付く料理を食べて精をつけましょう!」という趣旨のイベントらしい。
ウィンナーを出されても戸惑うことはさておき、やはり夏グルメの王者はやっぱり うなぎ! 発表によれば松屋のうなぎは5年目とのことで、大胆にも自ら「至高の丼が復活」と言い切っている。ハードル上げるよね~!
具体的には「タレをつけては焼いてを4度繰り返し、外はパリッと、中はふわっとを体現した、食感も香りも専門店に負けない至高のうな丼です」とのこと。「どうせ専門店には勝てないんでしょ?」と言われるのがよほど悔しかったのか、かなりの気合いの入りようである。
・言い過ぎでしょ(笑)
そう、こんなことを言うのは気が引けるが、飲食チェーン店のうなぎは「こんなもんだろ」的な感想で落ち着くケースが非常に多い。うなぎ自身のポテンシャルが高すぎるため「まずい」ということは無いが「感動レベル」まで到達することは皆無と言っていいだろう。
だがしかし、恐れ多くも「食感も香りも専門店に負けない至高のうな丼です」と言い切る松屋の潔さよ。これは相当自信があるに違いない……というわけで、うな丼販売直後の松屋へ直行した。
で、うな丼のラインナップは弁当も込みで全8種類もあるため割愛するが、最もリーズナブルなうな丼が980円、うな丼ダブルが1680円、うな丼トリプルが2180円、うなぎコンボ牛めしダブルが1780円となっている。
今回はどうせなら松屋らしく……というわけで「うなぎコンボ牛めしダブル」をオーダー。ちなみに最も高額なのは「うな丼3個セット(弁当限定)」で、価格は松屋では2度見せざるを得ない1人前2580円だ。
・かなりウマい……が
さて、この段階で結論を申し上げてしまうと、松屋のうな丼は「確かに松屋の中では至高かもしれない」と感じた一方で「さすがに専門店に負けないはフカしすぎでしょ」とも思った。以下で説明しよう。
まずポイントが高かったのは、うなぎそのものの身の厚さ。個体差はあるかもしれないが、少なくとも私が食べたうなぎはどちらも専門店に劣らぬほど身が厚かった。またふっくらと柔らかで、皮の硬さは全く気にならなかったと言っていい。
特に皮の硬さが気にならなかったことは素晴らしく、チェーン店でありがちな「ゴムみたいな皮」の要素はゼロ。飲食チェーン店のうなぎとしては「特にマイナスポイントが見当たらない」というのが率直な感想だ。
ただし、真空パックの宿命 “香ばしさの欠如” までは如何ともし難い結果となってしまった。逆に言うと香ばしさ以外はかなり満足度の高いうなぎだったので「今年の松屋のうなぎはかなり完成度が高い」と言っていいのではないだろうか?
おそらくこの夏も各社が続々とうなぎを繰り出してくるハズ。現段階でその中でも松屋のうなぎは「かなり出来がいい」とお伝えしておこう。まあ、個人的には「ロモサルタード定食」の方がオススメなんだけどね。