このところ疲れているのに眠れないということがたまにある。家に帰ってご飯を食べるとすぐに眠くなるのだが、いざ歯を磨いて寝ようと横になるとなぜか眠れないのだ。
そんな時に思い出すのはやはり「羊を数える」だろう。羊を数えているうちに寝てしまう、というのはよく言われる話だが、はたして本当に効き目はあるのだろうか。試しに数えてみた。
※2008年7月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
羊を数えるとは
そもそも羊を数えると眠くなる、というのはどういう仕組みなのだろう。これには諸説あって、羊(sheep)と眠り(sleep)の綴りが似ているから、とか単純作業を繰り返すことによってリラックスして眠くなるから、とか言われている。
ということは別に数える対象は羊じゃなくてもいいのか。
しかしあえて羊を、ということで定着しているからにはそこには眠りを誘発させる何かがあるのかもしれない。羊パワーが。
羊を数えよう
実際に羊を数えてみよう。普通ならば羊を数えるといえば横になって頭の中で、だろう。しかしやってみるとわかるのだが、それは以外と面倒くさい。そして無理に羊のことを考えたりすると(さて角はどんな形だったか)とか(足には毛が生えていたっけ)いろいろと考えてしまい余計に目がさえてきてしまうのだ。
本当は横になりながら無心で目の前にいる羊を数えたいところなのだが、現実問題としてなかなかそういう状況は作りにくい。そこで草原の羊の写真を大きくプリントアウトして寝室に持ち込んでみた。これであまり深く考えずに数だけを数えられるのではないか。
羊が一匹、羊が二匹・・
横になりながら羊を数えていると、意外なほど集中することができる。やるべきことが決まっているので意識がぶれないのだ。
しかしペンも持たずに大量の羊を数えているといくつまで数えたのか、すでに数えた羊かどうかすぐにわからなくなってしまう。おかげで何度か最初から数えなおした。
この日、羊を数えながら僕はいともあっさりと眠りについてしまった。なんだこの効き目は。僕はだまされたと思ってやってみるとたいていだまされるたちなのだが、それにしてもこれはすごい。やはり羊にはなにか魔力があるのではないか。
写真ですらこんな効果なのだから、実際の羊を数えたらやっぱり眠くなるのではないか。期待を胸に次の日、生の羊を数えに行くことにした。
羊の群れを求めて
本物の羊を数えるため、電車とフェリーとバスを乗り継いで千葉県富津市にあるマザー牧場へと向かった。関東近辺で数えきれないほどの羊が見られる場所ということで情報を集めると、自然とここマザー牧場にたどり着くのだ。
移動中、バスでまんまと寝てしまった。この時点ですでに「眠れない」という当初の問題は解決しかけているようにも思えるのだが、せっかくこんなに遠くにまで来たのだ。羊を数えて眠くなるのが生の羊でもあてはまるのかどうか試してみたい。
実はこれに先だって近所の動物園にも行ってみたのだが、羊は5頭くらいしかいなかった。しかも全員寝ていたので数えるまでもなかった。やはり何頭いるのかわからないくらいの羊を一匹ずつカウントしてこそ眠くなるってもんだろう。
その夢が叶う場所がここ、マザー牧場なのだ。ここには牛、馬、ヤギなど牧畜と聞いてイメージする動物はほとんどいる。しかもどれもかなりまとまった数で飼われているからすごい。期待大だ。
ここならばあの写真のような羊の群れを見ることができるのではないか。でも数えているうちに本当に寝ちゃったらリアルに帰れなくなる場所なので怖いではある。