「TikTok」を運営する字節跳動(バイトダンス)の元幹部である余印濤(Yintao “Roger” Yu)氏は、数々の不正行為があったと主張して同社をカリフォルニア州の裁判所に提訴した。同氏によると、バイトダンスはネット上の他のクリエイターからコンテンツを盗み、従業員を差別し、エンゲージメント指標を水増ししてきたという。
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余氏のバイトダンスに対するこれらの衝撃的な主張は起こりうるものだとみられるが、まだ証明はされていない。同氏の主張によると、中国の指導政党である中国共産党はTikTokのユーザーデータにアクセス可能であり、また実際にアクセスしたこともあるという。
また、中国共産党がバイトダンスを政治的プロパガンダツールとして利用しているとも主張しており、同社が中国共産党の政治目標に沿ってTikTok上のコンテンツを表示されやすくしたり、あるいは逆に表示されにくくしたりするのを同氏自身が目にしたという2つの例を挙げている。
裁判所への提出書類によると、「余氏は、バイトダンスが中国共産党の求めに応じて情報を共有し、さらには同党からの要請を受けてコンテンツの表示順位を引き上げたり削除したりするのを目撃した」という。
同氏は、バイトダンスが日本への憎悪を表したコンテンツの表示順位を引き上げたほか、2018年には香港における政治抗議活動への支持を表明したコンテンツの表示順位を引き下げたと主張している。香港でこれが可能だったのは、中国共産党がバックドアからデータにアクセスして活動家らの位置情報を監視していたためだという。
中国共産党はバックドアからのアクセスで米国のTikTokユーザーデータも入手できるため、同社が香港で行ったのと同じようなプロパガンダを米国で展開する可能性もあると余氏は指摘している。また、米企業が米国内でデータをホストしていても、中国共産党がこうしたデータにアクセスすることは可能だとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。