外国人の人権を尊重するとともに、国民の命と、安心安全と、社会秩序を守れ!

アゴラ 言論プラットフォーム

こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

ここまで激しい議論が行われてきた入管法改正案の採決が行われ、賛成多数で可決。ついに成立となりました。

与党(自公)が賛成討論をしないので、私が唯一の賛成討論に立ったわけですが、まあヤジと怒号が激しかった。自民党もちゃんとやってよ、と思わなくもないですが、応援・声援を送ってくれたので良しとします。

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すでに多くの方にご視聴いただいていますが、これを見ればなぜ法改正が必要なのか、反対している一部野党がいかに理不尽な言動を繰り返しているのかが、余すところなく理解できると自負をしています。

外国人の人権を護ることも重要だからこそ、立憲民主党が衆議院に修正協議において、テーブルを蹴って出て行ってしまったことは極めて残念です。

我々はこうした非建設的・不合理な言動を繰り返す野党や国会運営とは一線を画し、政府与党と対峙ができる唯一の改革勢力として国会議論やきたるべき総選挙に臨んでまいります。

下記に討論原稿の全文も掲載しておきます。

それでは、また明日。

(賛成の表明)
日本維新の会の音喜多駿です。私は会派を代表し、ただいま議題となりました内閣提出「出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法案」につきまして、賛成の立場から討論を行います。

(経緯)
今国会に提出されている入管法改正法案は、我が国の送還忌避(きひ)・長期収容問題を解消するためのものであり、同時に、ウクライナから避難されてきた方々のような、人道上の危機に直面し、真に庇護(ひご)を必要とする方を確実に保護するための改正案です。保護すべき者を確実に保護しつつ、退去強制手続を一層適切に行うことは、出入国在留管理上の課題であり、これを解決する法整備は、日本人と外国人が健全に共生する社会を実現するために必要不可欠です。

我々日本維新の会は、政府が旧法案の審議を断念した2年前にも修正協議を呼びかけるなど、本法案の早期成立を求めてきました。法改正が先送りされたこの2年の間、仮放免中に約1,400人もの逃亡者が発生し、逮捕された仮放免者の数は令和3年は337人、令和4年は361人にものぼるという事実に、社会の秩序維持という責務と、国民の命・安心安全を預かる我々は、正面から向き合わなければなりません。

(賛成理由)
現行法には、難民認定申請の回数や理由を問わず、たとえテロリストなどの凶悪犯であったとしても、難民認定申請さえすれば送還できないとする「送還停止効」の規定が存在するため、送還忌避(きひ)の手段として難民認定申請を乱用する者がおり、その中には残念ながら、重大前科を有する者が一定数存在します。

送還を忌避(きひ)する者に対しては、入管庁において、長期収容を避けるため、諸般の事情を考慮して仮放免を行う運用としていますが、仮放免は、逃亡防止手段が十分ではないため、近年、仮放免中に逃亡して所在不明になっている者が激増するとともに、仮放免中に重大犯罪に及ぶ者も発生しており、国民の安心安全の観点から、看過できない事態が生じていることは紛れもない事実です。

実際に、強制わいせつ致傷で実刑判決を受け、刑務所を出所後、在留資格がないため入管収容施設に収容されるも、難民認定申請して送還を忌避。長期収容者となって仮放免で収容を解かれると、今度は、強姦致傷罪という重大犯罪に及んだ者が存在します。法案審議の中でもこのような事例が問題視されましたが、本法案に反対する方々は、こうした重大事案の被害者や関係者に対し、加害者を送還できない現状をどう説明されるのでしょうか。

本法案は、多くの先進国に倣って、送還停止効の例外を設けるもので、3年以上の実刑前科者、外国人テロリスト等のほか、3回目以降の難民認定申請者を送還停止効(ていしこう)の例外とし、難民認定申請の濫用による送還忌避(きひ)を防ごうとしています。その上で、3回目以降の申請者であっても、例えば、出身国の情勢の変化など、難民等と認めるべき相当の理由がある資料を提出した者は送還されないこととし、真に保護すべき者を保護できる制度としています。

また、収容についても、監理人の適切な監理の下、収容を解かれた者の逃亡等を防止しつつ、退去強制手続を進める監理措置を導入して不必要な収容、長期収容を防止することとし、外国人の人権及び国民の安全について配慮する内容となっています。

(維新の修正案)
他方で、我が国の難民認定制度の適正性に疑問を呈する声もあることを考えれば、現在の難民認定制度を改善するために不断の努力を重ね、国民や国際社会から一層の信頼を得ることも極めて重要です。

まず、本法案には、保護すべき者を保護する措置として、補完的保護対象者の認定制度を設け、難民と同様の在留上の地位を与えてその地位を安定させ、また、在留特別許可の考慮事情等を明示し、申請手続を設け、判断の適正性・透明性を高めています。

さらに、日本維新の会は、難民認定制度の一層の適正化を図るため、衆議院において、難民の認定等の申請をした外国人の心身の状況等に応じた適切な配慮をすることや、難民の認定等を適切に行うため、出身国情報を収集するとともに、難民調査官の育成に努め、難民調査官に必要な研修等を行うことなどを盛り込んだ修正案を提出し、可決されております。これにより、外国人の人権の尊重と、難民認定の適正化が一層確実になるものと確信をしています。

参議院の参考人質疑では、外国人は、難民という手法以外にも、在留資格を付与する手法で受け入れることもある以上、入管業務と難民認定業務との連携が大事であり、そのため、難民のための第三者機関を設けずとも、現行制度の質を向上させていくべきとの御意見がありました。日本維新の会は、まさに、現行の制度を活かした上で、その質の向上をさせるための現実的な政策提案をしたうえで、実際に法案修正を実現しています。

(結び)
その一方で、衆議院の審議の経過では、責任を果たす立場である野党第一党の立憲民主党は、建設的に行われていた修正協議から去り、参議院では法務委員長の解任動議や法務大臣不信任案を次々に提出するなど、いたずらに時間をかせぐ、不合理な昭和の国会戦術を展開しました。このような態度で果たして、外国人の人権や、日本国民の安心安全を守ることができるのでしょうか。

あまつさえ、その遅延戦略の中で行われた法務委員会においては、ルールに則って行われた採決に異を唱えた野党議員の、肉体的接触を伴う野蛮な振る舞いにより負傷者が発生し、傍聴席からは社会の公器たる新聞の記者を含む傍聴人たちが、ルールを無視した不規則発言を繰り返すなど、秩序を著しく乱す蛮行がありました。平和や人権を日頃から声高に主張する者たちの行動として、これほど信じがたく、矛盾をするものがあるでしょうか。

国民の多くが、冷静に法改正の必要性を認識し、秩序をもった外国人との共生を望んでいることに鑑みれば、ごく一部の事実のみを切り出し牽強付会な主張で法改正を先延ばしにし、混乱を引き起こす一部野党の非生産的な行動は、甚だ無責任であると言わざるを得ません。

私たち、日本維新の会は、マニフェストに外国籍住民との共生を掲げています。日本人と外国人が、共に安心安全に暮らせる共生社会を実現し、外国人への差別と偏見を根絶させ、その人権がより尊重されるよう力をつくすとともに、国民の命と、安心安全と、社会秩序をしっかりと守ることをお誓い申し上げ、私の賛成討論といたします。御清聴ありがとうございました。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年9月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。

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