あわや衝突…アーク引越センター車両「危険運転」動画が波紋、赤信号で交差点進入か


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アーク引越センターのHPより

 大手引っ越し会社・アーク引越センターの車両の危険な運転を収めた動画がTwitter上に投稿され、「危険運転ではないか」という指摘が広まっている。同社は当サイトの取材に対し「大変危ない運転だったと思います」とコメントしたが、今回の運転はいわゆる「危険運転」に該当するのか。専門家に話を聞いた――。

「0003のアーク引越センター」のキャッチフレーズで知られる同社は、北は仙台から南は大阪まで支店を展開し、本社が置かれた東海地区に強みを持ちつつ、全国の幅広いエリアをカバー。1980年の創業から40年以上の歴史を持ち、車両台数411台を擁する大手の引っ越し会社だ。

 そんなアークの走行中の車両を収めた動画が物議を醸している。外が明るい日中の様子とみられるその動画では、交差点で前方の矢印式信号機(赤色灯火中)で「直進可」が表示されるのを確認したワンボックスカーが発進(直進)したところ、右側から交差点に合流する道路からアークの車両が右折進入。危うくワンボックスカーと衝突しそうになるも、ワンボックスカーがブレーキをかけたため衝突は回避され、アークの車両がワンボックスカーの前方スレスレに割り込んだかたちとなった。この動画についてアークに確認したところ、以下の回答を寄せた。

「弊社の車両で間違いないです。赤信号になっていたと思われる状態から交差点に進入する等、交通ルールや安全運転に対する意識が低く、大変危ない運転だったと思います。白い車の方がとっさに避けて頂いことにより、事故に至らなかっただけで衝突していてもおかしくない状況だったと思います。今後は交通ルールの順守は当然ながら、交通マナーの向上に取り組み、周囲の方々に対して危険な思いや不快感を与えないモラルのある運転を徹底するよう指導してまいります。この度は当事者の方々や動画を見た方に不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでした」

危険運転致死傷罪、安全運転義務違反には該当するのか?

 この動画をめぐってSNS上では

<危険な運転するよなぁ>(原文ママ、以下同)

<ここは信号が変わった瞬間に、無理やり右折する車が多い交差点。右折待ちで渋滞になりやすい場所ではあるが>

<交差点の構造が悪い。せめてタンクの右側を併走するようにすれば良かったのに>

といった声が寄せられているが、今回のアーク車両の運転は道路交通法などに違反しているのだろうか。交通ジャーナリストの今井亮一氏はいう。

「『危険運転致死傷罪』は、人を死傷させた場合に成立します。赤信号を殊更(ことさら:意味は『あえて』『故意に』)無視したとしても、本件は死傷が発生したとは見えず、危険運転致死傷罪には該当しません。

 アーク車が無視した信号は赤色灯火と思われ、とすれば普通に赤信号無視です。軽自動車は道交法的に『普通車』に当たり、反則金は9000円、違反点数は2点です。アーク車は、左側から青(矢印)信号で進行してきた自動車と衝突しそうになっています。この運転は『安全運転義務違反』に当たるとはいえるでしょう。

 妨害目的で安全運転義務違反をすると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。違反点数は25点。欠格2年の免許取消に該当します。酒気帯び運転(呼気1L中アルコールが0.25mg以上)と同じ重さです。しかし、動画を見る限り、カーナビや伝票を見ていたのかは不明ですが、ぼーっと発進し、自分のほうの信号はとっくに赤信号で、右側から青信号に従って多くの車両が発進し始めていることに気づいて驚き、慌てて加速したように見えます。つまり、妨害目的があったとまでは認められないのではないでしょうか」

 今井氏はドライブレコーダー搭載の重要性を次のように強調する。

「アーク車に衝突されそうになっていたワンボックスカーが、もし信号灯火と前方の様子だけを見ていたら、衝突していたでしょう。アーク車に気づいてすぐ急ブレーキをかけたのが幸いしました。近年、危険な運転の事例が取り上げられることが増えました。これはまさにドライブレコーダーの普及の影響でしょう。事故に遭ったとき、妨害運転(いわゆる『あおり運転』)の被害を受けた後に『もしドラレコがあれば』と悔やんでも遅いです。ドラレコを必ず搭載しましょう」

(文=Business Journal編集部、協力=今井亮一/交通ジャーナリスト)

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