本や新聞などの印刷物、価値が再評価…「ネットで全情報が入る」という勘違い


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※画像はイメージ(新刊JPより)。

 スマートフォン一つあれば、ネットでどんな情報でも調べることができ、知ることができる。便利になったが、ネットの情報の中には不確かなものも多く交じっているというのも事実。必然的に情報の信頼性を見抜く能力である情報リテラシーがインターネットと切り離すことのできない現代人の生活には必要になる。

 また、「あらゆる知識はネットで手に入る」というのも思い込みだ。この思い込みを解き、本や図書館も使った王道の学び方を身につけることも大切だ。

情報に踊らされない!大人も子どもも知るべきリテラシー

 『ネット情報におぼれない学び方』(梅澤貴典著、岩波書店刊)では、図書館司書の梅澤貴典氏が、「確かな情報って何?」「図書館の使い方は?」「情報リテラシーを身に付けるには?」などの問いや具体例に沿って新しい時代の学びに即した情報の探し方や使い方、更にはアウトプットの仕方を紹介する。

 情報リテラシーを身につけるには、「確かな情報を探し集める」「幅広い知識体系を育てる」「自分が探究したい課題を見つける」「解決策を考え出す」「言葉や文章を人に伝える」という5つのポイントがある。

 たとえば、一つ目の確かな情報を探し集める場合、個人が発するネット情報は第三者のチェックを受けることはなく、その内容が間違っていても訂正されず、間違ったまま瞬時に世界に向けて発信され、拡散される恐ろしさがある。一方、本や新聞などの印刷物は、発行者である出版社や新聞社が責任を持って発行している。また、校正、検閲部といった専門の部署もある。誤字脱字、内容の真偽や論理の矛盾などのチェックを受けたのちに発行されるので、確かな情報の一つの形と言える。

 そこで確かな情報を探し集めるために、図書館が活用できる。図書館の持つ資料や情報は本だけでなく、全国紙、業界紙、海外など、さまざまな新聞を無料で閲覧することができる。また、町の書店には並ばないほどマニアックだったり、個人では所有しにくいほど高額な図鑑や専門雑誌も図書館は所有している。本来ならばお金を払わないと手に入らない情報が多くあり、しかも使い放題だ。多くの情報が無料で手に入るネット時代だからこそ、責任という付加価値のある情報には、その対価が必要であるという大原則をまずは肝に銘じておかなければならない。

 簡単に多くを得ることができるネットの情報も、実際は多用するだろう。その際、情報に振り回されることのないように、図書館を利用したり、情報リテラシーを身につけることで、確かな情報を自分で探し、学びに繋げてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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