プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王座決定戦が2023年5月21日、米ネバダ州ラスベカスで行われ、元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(M.T、25)が同級2位アンドルー・モロニー(オーストラリア、32)を12回KOで破り世界2階級制覇を達成した。中谷は25戦全勝(19KO)、モロニーは25勝(16KO)3敗1無効試合となった。
KO負けのモロニーはキャンバスに大の字に
元世界王者同士の一戦は、中谷が序盤から主導権を握った。2回にダウンを奪うと左右多彩なパンチでポイントを重ねていった。終盤11回には2度目のダウンを奪って試合を決定付け、最終12回に大振りの左フックでフィニッシュ。モロニーがキャンバスに大の字となる衝撃的なKOでラスベガスデビューを飾った。
モロニーの地元メディア「news.com.au」(WEB版)は、モロニーは試合中に左右の耳の鼓膜が破れたため試合後に病院に直行したと報じた。同メディアは、この日の最も明るいニュースは、モロニーがノックアウトパンチを受けてキャンバスに横たわって苦しんでいた数分後に立ち上がることができたことだと解説した。
同メディアによると、米スポーツ専門局「ESPN」で解説を務めたジョー・テシトーレ氏は中谷のフィニッシュブローを「信じられないほどのパンチ。人間のショットガンが発砲するようなものだった」と評し、最大級の賛辞を贈った。
圧倒的な力を見せつけて世界2階級を制覇した中谷。今回王座決定戦だったということで初防衛戦は指名試合が有力となり、同級3位・田中恒成(畑中、27)が指名される可能性が高い。田中は5月21日に名古屋市内でノンタイトル10回戦を行い、10回TKOで勝利している。