AppleがChatGPTやGitHub Copilotなど外部AIツールの内部利用を制限へ、機密データ漏洩への懸念が原因

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The Wall Street Journalが、Appleは自社で同様の技術を開発するため、一部の従業員に対してChatGPTやその他の外部AIツールの利用を制限していると報じています。

Apple Restricts Employee Use of ChatGPT, Joining Other Companies Wary of Leaks – WSJ
https://www.wsj.com/articles/apple-restricts-use-of-chatgpt-joining-other-companies-wary-of-leaks-d44d7d34


Apple blocks employee use of ChatGPT internally
https://appleinsider.com/articles/23/05/18/apple-bans-internal-use-of-chatgpt-like-tech-over-fear-of-leaks-according-to-leaked-document


The Wall Street Journalが入手した内部文書によると、ChatGPTやGitHub Copilot、Google Bardなど、外部のAIツールを使うことで機密データが漏えいしてしまうことをAppleは懸念しているとのこと。ChatGPTやGitHub Copilotはモデルの学習のために、入力されたデータを開発側にフィードバックさせるため、ChatGPTやGitHub Copilotを介して機密データが外部に流出する可能性があります。

実際に、2023年4月にはSamsungのエンジニアがChatGPTに社外秘のソースコードを入力してしまうという事案が発生し、Samsungが従業員に対して注意を呼びかけたことが報じられています。

SamsungのエンジニアがChatGPTに社外秘のソースコードを貼り付けるセキュリティ事案が発生 – GIGAZINE


The Wall Street Journalによると、AppleだけではなくAmazonやVerizonといった他の企業も、社外開発の大規模言語モデルやチャットボットAIの使用を制限しているそうです。特にAmazonは、AI向けリポジトリホストサービスのHugging Faceと提携し、次世代の大規模言語モデルを構築すると発表しており、外部ではなく自社開発のAIツールを使うように社内へ通知しているとのこと。

AmazonがOpenAIのライバルの人工知能スタートアップHugging Faceとの提携を強化、AWSで次世代LLMを構築して提供へ – GIGAZINE


The Wall Street Journalは、Appleも独自の大規模言語モデルの開発に取り組んでいると報じており、セキュリティ上の懸念に加え、自社でも大規模言語モデルを開発するという目的で、一部の従業員に対して外部AIツールの利用を制限しているとしています。

Appleは、2018年から元Googleのジョン・ジャンドレア氏主導の下、AI開発を行っており、人工知能開発のスタートアップを多数買収しています。ティム・クックCEOは2023年第1四半期(1~3月)の決算説明会で、AI開発について「このようなことに取り組むには、慎重かつ思慮深くあることが非常に大切だと思っています。整理すべき問題は多くありますが、さまざまなところで語られているように、AIの可能性は非常に興味深いものです」と語っています。

なお、OpenAIの広報担当者は、ユーザーがチャット履歴を削除できる機能を導入し、過去に入力した内容をAIモデルの学習用に利用することを拒否できるようになったとアピールしています。実際にChatGPTでどうやって学習拒否を設定できるのかについては、以下の記事を読むとよくわかります。

ChatGPTで秘密情報の流出を防ぐ学習拒否設定の方法&会話履歴のダウンロード方法まとめ – GIGAZINE


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