中日が2023年5月18日の阪神戦(バンテリンドーム)に敗れ、今季ワーストの5連敗。借金は12にふくらみ、38試合を終えて首位・阪神と11ゲーム差まで広がった。
「各自の走塁意識が低いから起こったプレー」
序盤から重苦しい雰囲気が漂った。
エース・柳裕也が初回に3点を先制されると、2回も追加点を奪われる。3回以降は無失点と立ち直ったが、連敗中のチームに序盤の4失点が重くのしかかる。6回に石川昂弥がチーム19イニングぶりとなる適時打を放って1点を返したが、予期せぬ凡ミスで反撃の流れを自ら手放した。
8回2死一、二塁の好機で村松開人が左翼線に安打を放ったが、二塁走者の石川昂が本塁生還するより前に、一塁走者・細川成也が三塁タッチアウトとなり、得点が成立せずチェンジに。お祭り騒ぎの阪神ベンチと対照的に、石川は茫然とした表情を浮かべた。
「やるべきことをやらないと勝てません。石川は三塁ベースを回った後、全力で駆け抜けずに本塁を踏んだ。ネクストバッターの溝脇隼人も『速く駆け抜けろ』とジェスチャーをしなければいけないのに、バットを左手に持ち、右手を挙げて緊張感がなかったことも反省点です。
一塁走者の細川も左翼の動きは見えているし、点差を考えたら無理に三塁を狙う場面ではない。厳しい言い方をすれば、各自の走塁意識が低いから起こったプレーです。プロ失格と言われても仕方がありません」(スポーツ紙デスク)
4番を張る石川、現役ドラフトでDeNAから移籍してクリーンアップに定着している細川は若手の成長株として奮闘しているが、このようなボーンヘッドを見せれば首脳陣の信頼を失っていく。勝つために各選手たちが何をするべきか。プレーの精度を高めなければ、最下位からの巻き返しは望めない。
(中町顕吾)