ある日、いつものスーパーに行くと「活ズワイガニ」が売られていた。お値段、2匹で税抜き480円。税込み518円。およそ1杯250円。買いだ!と思って買ったら美味かったので、翌日も買って食べた。
そんな事をしていたら、最終的に海鮮ダシの塩ラーメンを食べていた。そんなGWのお話。
我が家にカニがやってきた
我が家でカニを食べるのはだいたい年末年始と決まっていて、それ以外でカニを食べることは殆ど無い。だって、高いから。しかしお安ければ話は別で、隙あらば食べたいと思っている。だって、美味いから。
そんな折、近所のスーパーで小さなズワイガニが売られていた。1匹だいたい250円。激安である。
東京に住んでいるとカニはとても高い生き物という価値観だ。しかしどうも、日本海側や北海道ではそれほど高いものではないという噂を聞く。これもそういうカニなのだろう(大きなカニを獲ろうとして穫れちゃった小さいやつって気がする)。
しかしこれでもズワイガニである。僕にとっては年末年始用の高級食材だ。それがこの値段。秒で買った。
帰って妻に見せたら「プラモ?」と言われた。この時期に、なんの意味もなくズワイガニを買って帰るというのはそれほどに意外なことなのだ。リアルカニよりは、僕がプラモのカニを買うほうが可能性が高いと思われている。
「活ズワイガニ」というだけあって、一応生きていて時折口が動く。足や爪を積極的に動かす程ではないのだけど、一応生きていた。
海水と同じ3.5%の塩水を作って漬けてみた。アサリでいうところの砂抜きみたいな気持ちでやったんだけど、意味があったのかどうかは分からない。
そして、茹でた。
茹だった
10分ほどで良い色になった。
こんな小さなズワイガニでも、身は意外と詰まっている。身を食べないなんてもったいないので、チマチマ剥いていった。
まずは足を全部外した。付け根からバキバキ折っていけばいいので簡単だ。
胴体の甲羅はお尻の方からガバッと開けると外れる。中にはカニミソと、足の付根の肉が詰まっているので、それらもチマチマ取っていく。
ちなみに、甲羅を外した内側にはエラ(ガニ)があり、ここは食べられない。「カニを食ってもガニ食うな」という格言があり、食べてはいけないことになっている。実家でカニを食べる時に母がよく言っていた。
(ちなみに実家ではタカアシガニを売っていたので、カニを食べると言えばタカアシガニだった。個人的には大味でイマイチなカニだと思っている。北国のカニのほうが美味い)
2杯のカニからこれだけの身が取れた。
これが1杯250円のカニかと思うと、ちょっとお得すぎないか?という気がする。年末年始のカニ、ありゃなんであんなに高いのだ(カニの種類や需給曲線などで決まるのだろう)。
カニ剥きはテクニックより気持ちが大事
こういう小さいカニの身をキレイに取るには、テクニックよりも「隅々まで食い尽くしてやる」という気持ちが大事である。根性論だ。 コツは、食べたい気持ちを高めて剥いていけば掴めるだろう。道具は、先が細めの箸と、キッチンバサミがあると効率が良い。
あるいは、Youtubeなどで勉強してもいい(丸投げ検索)。
食べる
まずはカニちらし寿司にして食べた。
あー、うっま。最近はカニカマも美味しいけど、やっぱりカニと比べてしまうと所詮はカマボコだなって感想になる。本物は甘みと旨味が違う。
この甘味は砂糖などに感じる甘みとは違う、舌全体で感じる甘みだ。うまあ味とでも言うか、きっと第7の味覚に違いない(知らんけど)。
これが数百円で買ったカニであるというのがポイントで、同じ金額で牛肉を買うよりも満足感が高い。数百円程度の身でこの多幸感。生きてて良かった。カニ、ありがとう。
余計なことをせず、身だけを何も付けずに食べるのもいい。酢を付けると酢の味になってしまうので、身だけ食べるならそのままが良い。カニの味をストレートに味わえるからだ。
次のページでもカニを食べます。色んな食べ方で。