この先の人生で1つの餃子しか食べられません → 迷わず選ぶという「寿限無餃子」を食べたら宇都宮のスゴさを思い知った

ロケットニュース24

正直、強いとは思っていたが、まさかここまで強いとは。なんのことって宇都宮である。近年、餃子の1世帯(2人以上)当たりの年間購入額で宮崎市に首位を奪われているものの、底力というか地力が違うことを実感するしかなかった。

なぜなら、今回お伝えする「寿限無(じゅげむ)餃子」が尋常じゃないくらいウマいのだ。知ったキッカケは当編集部に届いた熱烈なメッセージで、次のように書いてあったなら頼むしか選択肢はあるまい。

・宇都宮からの刺客

「宇都宮にある寿限無の餃子を食べてみていただきたいのです。私が今までに食べた餃子で1番美味しい餃子であると言い切れます。皮も餡も全て手作りで、こだわりが強いわりに食べやすく、私が一生一つの店の餃子しか食べられないとなったら迷わず寿限無を選ぶほどです」


なんという寿限無愛、なんという三木道三(現・DOZAN11)もビックリの一生一緒にいてくれやだろうか。この熱烈さを見た当編集部はいろどりバラエティセット(6種30個)をすぐさま注文するしかなかった。ちなみにお値段は4000円なり。

送料は別で都内までだと1000円だったから合計5000円。なかなかするなァ〜とは思ったものの、すべては味次第。宇都宮餃子だというのを考えたら、きっと味もついてきているからこその値段なのだろう。


数日後、きれいに梱包されて届いた箱を開けたら餃子セットと酢胡椒3つが入っていた。そして餃子は寿限無、翡翠(ひすい)、宮牛包、とちぎ大麦餃子、筍黒餃子、トマト餃子といったラインナップだ。


なかなかクセがスゴい餃子たちを実際に手にとってフライパンに並べるとサイズは大きめ。公式HPによると通常の2倍らしい。それにしても変わった色しているなぁ〜


とか思っていたら作り方も変わっていて、餃子の高さ1/2くらいまでお湯を入れて強火で蒸し焼きして……からそのお湯を捨てる。前回食べた宇都宮の「餃天堂」も一度お湯を全捨てしたし、もしかしたらお湯捨て系がトレンドになりつつあるのか……?


……と膨らませた餃子妄想はさておき、お湯全捨てから油を餃子の高さ1/4ほどまで再度投入して強火で3分ほど揚げ焼きにすると……


これで完成。言わずもがな油が結構ヤバいのでひっくり返す際には細心の注意を払っていただきたい。……って、それにしてもスゴい色だなぁ〜(2回目)。


・食べてみた感想

さて、餃子が焼き上がったというより揚げ上がったところで食べていきたい。ぶっちゃけ、奇をてらう系の餃子なのかな〜というのが私と編集長のGO羽鳥の印象だったのだが……


だったのだが……!


だったのだが……!!!!


羽鳥「これはスゴいわ。マジか……初っぱなの餃子からいきなり分からない技が飛んできた。ウマい……牛肉を使っている宮牛包もスゴいよ。これもう餃子じゃなくてハンバーグだもん。おもしろいな〜コース料理を食べている感じさえする!

それから翡翠のほうれん草も好きだなぁ。っていうか、とにかく全部皮がウマいね。これは皮のファンタジスタって言ったらいいのかな。さらにトマトがもっとヤバい、トマトっていうよりピザだもん。チーズが入っているのかな……それでいながら決して邪道じゃないんだよね。

チーズ入り餃子はあるにはあるけど、寿限無餃子のやつは上品な味で美味しいピザ屋のマルゲリータみたい。決してバカっぽくなっていないのよ。計算されているというか、上品に国をまたいでいるのが分かるね」


──とファーストインプレッションから羽鳥のコメントが止まらない!! これはちょっとやそっとの餃子じゃないのは明らか。続いて私も食べてみたところ……


はぅっ……!!!!!!


ウマいなぁコレは……! 一にも二にも皮が素晴らしい。とにかくもっちりしていて素晴らしく、正直皮だけでも飯が食えるレベル。中国直伝の製法に基づいているとのことだが、中から出てくる餡との相性を含めて相当研究されているのが伝わってくる。

んで、皮もウマければ餡も当然ウマい。ぶっちゃけ、もう全部ウマいが、2018年の「きたかんマルシェフードグランプリ」で優勝したという宮牛包、あとは羽鳥と同じくトマト餃子が別格に感じた。

一言で表すなら「味わったことのない餃子」。まるで創作寿司のような餃子といえばいいだろうか。「ありそうでなかった」を餃子に詰め込んでいて、まさしく異次元のプレーを見せるファンタジスタがそこにいた。

トマト餃子のピザみたいな味はイタリアを経由してやってきた感じがして、まるでロベルト・バッジョ、デル・ピエロのプレーのように美しい。とんでもないファンタジスタが宇都宮にいたものである。


・ワインに合うような餃子

レタスの入っている「とちぎ大麦餃子」こそレタス感がカップ麺の野菜に似ていたが、皮と相まって不思議とめちゃくちゃウマい。これも計算のうちなのか、中国発の餃子がここまで変化する……いや、変化できることに驚きを隠せなかった。

餃子の概念というか、そもそも他の店の餃子とやり方がまったく違う。寿限無餃子は町中華の枠に収まりきれないほどのポテンシャルがあって、ビールというよりはワインに合うようにさえ感じた。

これを狙ってやっている上、餃子の材料は地産地消というからぐうの音も出ない。コレにハマってしまったら他の餃子を食べられなくなるのも分かる気がする。この先の人生で1つの餃子しか食べられないとなったら選ぶ理由も。

これならば4000円という値段にも納得。普通の餃子じゃ満足できないって人はぜひ一度味わってみてほしい。それにしても宇都宮ってやっぱりスゴい。餃子は餃子でも普通じゃない。さすが餃子の街!

参考リンク:寿限無餃子読売新聞オンライン
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

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