村開拓シミュの面白いところだけ繰り返し遊べるローグライト・シティビルダー「Against the Storm」プレイレビュー、得意不得意や食事の好みが違う種族を率いて自然の脅威に立ち向かえ

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街作りシミュレーションゲームの楽しみ方は人それぞれですが、このジャンルの最も楽しいタイミングのひとつが、どんどん街を拡張し人口を増やして発展させていく開拓期です。そんな都市建築ゲームの真骨頂をテンポよく繰り返し遊べるゲームシステムに、プレイする度に土地の性質や建てられる建築物がランダムに変わるローグライト要素が融合したファンタジー風都市建設シミュレーション「Against the Storm」がSteamで配信されています。早期アクセス期間中ながら、2022年11月のリリース以来毎週のように改良を重ねて「圧倒的に好評」の評価を得ている期待作が気になったので、実際にプレイしてみました。

Steam:Against the Storm
https://store.steampowered.com/app/1336490/Against_the_Storm/


・目次
◆1:プレイ開始時にやること
◆2:クリアに向けた「指令の達成」と「名声の獲得」
◆3:開拓を進めると直面する「空き地イベント」
◆4:主なその他の要素
◆5:マップのクリアと新たなマップの開始
◆6:まとめ

◆1:プレイ開始時にやること
以下のムービーを再生すると、「Against the Storm」で村を開拓するようすが一発で分かります。

ダークファンタジーなシティビルダー「Against the Storm」で村を開拓してみた – YouTube
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ゲームをプレイすると、不気味な森に閉ざされた入植地に、数人の村人が身を寄せ合っているところから始まります。


まずは、最も基本的な資源である木材を得るべく、下のメニューから「木こりキャンプ」を選択して設置を指定します。


設置場所を指定すると、まず村人が建設資材を運んで建設を開始します。


「木こりのキャンプ」が完成したら、村人を割り当てて木こりに任命します。このゲームでは、手が空いている村人が施設の建設を行い、村人に施設での仕事を割り当てることで開拓や資源の採集ができる仕組みになっています。


木こりで森を切り開きつつ、紫色の「薬草医のキャンプ」に人員を配置してキノコなどの食料を確保するのが、ゲーム開始時の基本的な方針です。


◆2:クリアに向けた「指令の達成」と「名声の獲得」
そうこうしているうちに、右上のアイコンが光ったのでクリックしてみます。


すると、プレイヤーをこの村の総督に任命した女王からの「指令」が届きました。「指令」には達成すべき「目標(上の赤枠)」と、クリアすることにより得られる「報酬(下の赤枠)」が設定されており、内容はランダムに決まります。


今回は、木材を加工して得られる「板材」を10個用意する「探索資金」を選択しました。


またある時は、女王から応援として送られてきた住民が到着しました。住民の構成もランダムです。今回は、「リザード」という種族の住民「2人」と、「ビーバー」という種族の住民「1人」を受け入れることにします。


住民が増えました。


さっそく、新しく迎えたビーバーを木こりに任命します。


すると、ビーバーの顔のアイコンの周りに、得意な仕事についていることを示すマークがつきました。このゲームには記事作成時点で5種類の種族が存在しており、1つの村には最大で3種類の村人が同居します。


各種族には「人間は農耕が得意」「リザードは畜産が得意」「ビーバーは伐採が得意」といった具合に異なる得意分野があるので、適材適所になるように村人を配置すると効率よく村を発展させられます。


指令をこなすべく、「荒加工場」という施設を設置しました。施設に伸びている白い矢印は、材料となる資源を生産あるいは採集している施設の方向を意味しています。効率よく生産を行うため、なるべく関連施設は集中させたいところ。とはいえ、一部を除き大抵の施設は後で移動できるほか、不必要になったら解体して建設に使った物資を全て回収することができるので、あまり難しく考える必要はありません。ただし、後述の「森の神秘」などによっては、解体すると資材が失われることもあります。


達成できたらチェックマークがつくので、クリックします。


達成により、「名声(青色のバー)」が増加し、「女王の怒り(赤色のバー)」が低下しました。「名声」は文字通りプレイヤーの名声で、これを最大まで貯めるとこの村の開拓は成功と判定され、マップクリアになります。逆に、時間経過や村人を失うことで増加する「女王の怒り」が最大までたまると失敗となります。


名声の獲得方法は大きく分けて2種類。1つ目は、前述の指令をこなしていく方法。2つ目は、村人の需要を満たして村人からの評判を得ていく方法です。村人の需要は種族によって異なり、人間は「ビスケット」が好きで、ビーバーは「ビスケット」と「漬物」が好き、リザードは「干し肉」と「漬物」が好物、という具合に好みが分かれます。


村人が好きな食材を生産して食べさせることで、種族の顔アイコンの下にある「士気」の数値が高まります。そして、士気が一定以上を上回ると顔アイコンが青色に光り、名声を高めてくれます。逆に、士気が低くなりすぎると村から逃亡したり死亡したりして女王の怒りを買ってしまいます。


やってくる住人の種族や与えられる指令、得られる食料などはランダムに決まってくるので、状況に応じて「村人を幸せにして名声を得ていくのを重視するスタイル」や「指令をこなして女王の歓心を買っていくスタイル」、あるいはその両方を目指すのかを臨機応変に決断するのが、クリアへの近道になります。

◆3:開拓を進めると直面する「空き地イベント」
木こりは、基本的には一番近い木から順番に伐採していきますが、優先的に切り倒す木を指定することもできます。そうやって木こりで森を切り開いていくと、「空き地イベント」に遭遇することがあります。


「空き地イベント」にはリスクが伴いますが、得られるものも多いので積極的にこなしていきたいところ。以下では、実際にそのうちの1つをやってみたところを見ることができます。

ローグライト村開拓シミュ「Against the Storm」で空き地イベントをこなしてみた – YouTube
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生き残りが自給自足の生活をしている「大きな野営地」を発見したので、さっそく自分の村の住人を割り当てて「調査」を命じます。各イベントには2種類の解決方法があり、このイベントでは住人を村に迎えるか、女王の下に送ってその見返りに資金をもらうか選べますが、今回は村に迎えることにしました。


見ていると、住人が野営地に村の食料を運び込みました。


そして、開拓者の村に加わらないか説得しています。


イベントには時間がかかるので、倍速して完了まで早送り。


完了により野営地が消えて、村人が増えました。特にゲーム開始時はとにかく人手が欲しいので、村人が増えると大きな助けになります。


空き地イベントには他にも、放っておくと死者ののろいで村の資金が消える「忘れ去られた地下埋葬地」などがあります。


2023年4月28日のアップデートで新しく追加された「商人の難破船」は、貴重な物資を獲得するチャンス。


空き地には他にも、大量の食料を獲得できる物資などがあるので、村人の手が空き次第木こりに伐採を進めさせていくと発展が加速します。


ただし、解体に失敗すると大爆発して周辺の施設を破壊したり、住民を死なせたりしてしまう「くすぶる機械」といった危険なイベントもあるので、空き地を開通させるタイミングは重要です。


◆4:主なその他の要素
名声を高めていくと、名声ボーナスを獲得できます。


名声ボーナスにより、ランダムに3つ示された新しい施設の設計図の中から1つを選択できます。高度な物資や食料は、設計図を入手して高度な施設を建設しなければ生産できないので、獲得できた名声ボーナスはその後の展開や戦略に大きな影響を与えます。


「交易所」という施設を建設しておくと、定期的に旅の商人が訪れます。


前述の通り、常に必要なものが生産できるとは限らないので、商人に余っている物資を売って足りない物資を買うと物資不足が解消できます。


ゲーム内で時間が経過すると季節が移り変わり、「雨季」や「乾期」へと移行します。これにより、マップ特有の恩恵が得られます。


一方、村人の士気が下がったりさまざまな問題が発生したりする「嵐」もやってきます。


これらの特殊な効果である「森の神秘」はマップごとに異なりますが、ゲーム開始時に確認ができるので、目を通しておくと対策が立てやすくなります。


嵐が過ぎ去って季節が一巡すると、さまざまなメリットが得られる「要石」が届きます。どの「要石」が出現するかもランダムで、ちょっとした助けになるものから、プレイをぐっと楽にしてくれるものまで多種多様です。


◆5:マップのクリアと新たなマップの開始
無事にクリアに必要な名声を得ると、マップをクリアして経験値や報酬を得られます。その後、ワールドマップに戻ることができるほか、報酬などはありませんが引き続きその村でのプレイを続行するかを選べます。ゲームを進めるため、ここでは「ワールドマップに戻る」をクリック。


これがワールドマップで、「XILAS」というのが先ほどクリアしたマップです。この完成した入植地を足がかりに、さらに版図を広げるのがこのゲームの大目的です。


女王が治める「スモルダリング・シティ」では、プレイヤーのアップグレードができます。


アップグレードには、女王の怒りの蓄積を遅くするものや、最初から建設できる施設を増やすものなどがあります。


また、マップには先ほどクリアした奇妙なキノコの森の「マーシュランド」、緑があふれる「ロイヤル・ウッドランド」、金属質な木々が開拓者をはばむ「スカーレット・オーチャード」など複数の種類のバイオームがあり、それぞれ手に入れやすい資源や食料が異なります。


何回か入植すると「ブライトストーム」が到来してワールドマップがリセットされます。そして、また新しい入植地の開拓が始まります。


◆6:まとめ
「Against the Storm」の最大の特徴は、1マップにつき1~2時間程度のクリア時間でテンポよく入植地を完成させては次の入植地を開始できる点です。これにより、シティビルダーによくある「自動化が完成してしまってクリアまでやることがない」という中だるみの時期がなくなるので、一番やりがいのある時期だけを繰り返しプレイできるゲームシステムになっています。また、指令やイベントの発生で常にやることがたくさんあるので、何をすればいいのか分からなくなるといった事態も起きないようになっています。


難易度はほとんど手詰まりにならない「入植者」から、1つの判断ミスで全てが崩壊しかねない「プレステージ(最大20)」まであるため、初心者から上級者まで楽しめます。


ただし、常に何らかのイベントや課題があるということは、息をつく暇があまりないということでもあるため、完成した街や住人の営みをゆっくり眺めるのが好きな人は「少し忙しすぎる」と感じる可能性も。施設のグラフィックや村人の動きは細かいところまで作り込まれているので、時にはワールドマップに戻らずに続行して入植地をじっくり観察してみるのもアリだと感じました。


「Against the Storm」はPC版がSteamで販売されており、価格は税込3980円です。早期アクセス期間が終了すると値上げする可能性があるとアナウンスされているので、気になる人は早めにチェックするのがお勧めです。

Steam:Against the Storm
https://store.steampowered.com/app/1336490/Against_the_Storm/


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